“下切”の読み方と例文
読み方割合
おりき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大手筋(おほてすぢ)を下切(おりき)つた濠端(ほりばた)に——まだ明果(あけは)てない、海(うみ)のやうな、山中(さんちゆう)の原(はら)を背後(うしろ)にして——朝虹(あさにじ)に鱗(うろこ)したやうに一方(いつぱう)の谷(たに)から湧上(わきあが)る向(むか)ふ岸(ぎし)なる石垣(いしがき)越(ごし)に、其(そ)の天守(てんしゆ)に向(むか)つて喚(わめ)く……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
急(きふ)に何(なん)だか寂(さび)しく成(な)つて、酔(ゑひ)ざめのやうな身震(みぶる)ひが出(で)た。急(いそ)いで、燈火(ともしび)を当(あて)に駆下(かけお)りる、と思(おも)ひがけず、往(ゆき)には覚(おぼ)えもない石壇(いしだん)があつて、其(それ)を下切(おりき)つた処(ところ)が宿(やど)の横(よこ)を流(なが)れる矢(や)を射(ゐ)るやうな谿河(たにがは)だつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
更に遠く来た旅を知りつつ、沈むばかりに階段を下切(おりき)った。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)