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額
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ひたえ
ふりがな文庫
“
額
(
ひたえ
)” の例文
すると、私の
額
(
ひたえ
)
の触覚は丁度舌が微細な料理の味はひを翫賞するやうに、女の掌の暖かさ、柔かさ、懐かしさ、優しさを、しみじみと舐め試みた。
Dream Tales
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そこは旗下の若様だけ腹に
据兼
(
すえか
)
ね、ぐいと込上げて来ると
額
(
ひたえ
)
に青筋が二本
許
(
ばか
)
り出まして、唇がぶる/\震え出し、顔の色を少し変え、息遣いも荒く
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
額
(
ひたえ
)
つき、眼つき、話しぶりで、大よその事は肇も知ったけれ共思って居る事の奥の深い処までその自分の想像をはたらかせない方が好いと思って居たのだ。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
お勢は
額
(
ひたえ
)
で昇を
睨
(
にら
)
めたまま
何
(
なに
)
とも言わぬ、お政も苦笑いをした
而已
(
のみ
)
でこれも
黙然
(
だんまり
)
、
些
(
ち
)
と席がしらけた趣き。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
千鶴子がむいて渡すを、さもうまげに吸いて、
額
(
ひたえ
)
にこぼるる髪をかき上げ、かき上げつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
夢に
天津乙女
(
あまつおとめ
)
の
額
(
ひたえ
)
に
紅
(
くれない
)
の星
戴
(
いただ
)
けるが現われて、言葉なく打ち招くままに誘われて丘にのぼれば、乙女は寄りそいて
私語
(
ささや
)
くよう、君は恋を望みたもうか、はた自由を願いたもうかと問うに
星
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
小六は袂を探ってその書付を取り出して見せた。それに「
此
(
この
)
垣
(
かき
)
一重
(
ひとえ
)
が
黒鉄
(
くろがね
)
の」と
認
(
したた
)
めた後に
括弧
(
かっこ
)
をして、(
此
(
この
)
餓鬼
(
がき
)
額
(
ひたえ
)
が
黒欠
(
くろがけ
)
の)とつけ加えてあったので、宗助と御米はまた春らしい笑を
洩
(
も
)
らした。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
頭
(
かしら
)
を下げましたが、心の
中
(
うち
)
では、父は殺され、其の上に又此のお屋敷をお
暇
(
いとま
)
になることかと思いますと、年が
往
(
い
)
きませんから、只畳へ
額
(
ひたえ
)
を摺付けまして
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ト云懸けてお勢を
尻眼
(
しりめ
)
に懸けてニヤリと笑ッた。お勢はお勢で
可笑
(
おか
)
しく
下唇
(
したくちびる
)
を突出して、ムッと口を結んで、
額
(
ひたえ
)
で昇を
疾視付
(
にらみつ
)
けた。イヤ疾視付ける
真似
(
まね
)
をした。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
悪口
(
あっこう
)
のみならず盃を取って文治郎の
額
(
ひたえ
)
に投付けましたから、
眉間
(
みけん
)
へ三日月
形
(
なり
)
の傷が出来、ポタリ/\と染め帷子へ血の落ちるのを見ますると、真赤になり
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
猫の
額
(
ひたえ
)
のような
家
(
うち
)
だが売って、其の金子を路用として日光辺の
知己
(
しるべ
)
を頼って
行
(
ゆ
)
く途中、幸手の宿屋で
相宿
(
あいやど
)
の
旅人
(
りょじん
)
が熱病で悩むとて療治を頼まれ、其の脉を取れば運よく全快したが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今とは違い毛がないから
額
(
ひたえ
)
の処へ
斯
(
こ
)
う
三日月
(
みかづき
)
なりに瀬戸物の
打疵
(
うちきず
)
が出来ました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母「それは宜かった、お前の帰りが遅いと案じて
居
(
お
)
る……文治郎お前の
額
(
ひたえ
)
は」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こゝで
神原五郎治
(
かんばらごろうじ
)
と
神原四郎治
(
かんばらしろうじ
)
兄弟の者と大藏と三人打寄り、
額
(
ひたえ
)
を集め
鼎足
(
みつがなわ
)
で
談
(
はなし
)
を致しました時に、人を遠ざけ、立聞きを致さんように襖障子を
開広
(
あけひろ
)
げて、向うから来る人の見えるようにして
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と恥かしそうに
行燈
(
あんどう
)
の処へ顔を出すのを、新吉が
熟々
(
つく/″\
)
見ると、此の間法蔵寺で見たとは大違い、半面火傷の傷、
額
(
ひたえ
)
から頬へ
片鬢
(
かたびん
)
抜上
(
ぬけあが
)
りまして相が変ったのだから、あっと新吉は身の毛立ちました。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“額”の意味
《名詞》
(ガク)金銭の量。金額。
(ガク)書画などを入れ壁にかけるなどして飾るための枠。額縁。
(ひたい)顔のうち、髪の生えぎわからまゆまでの部分。おでこ。
(ぬか)(古) ひたい。
(出典:Wiktionary)
“額”の解説
額(ひたい)は、顔の上部で、眉と髪の生え際の間のことである。くだけた言い方でおでこ(でこ)、古語ではぬかともいう。眉と眉の間は特に眉間(みけん)という。
(出典:Wikipedia)
額
常用漢字
小5
部首:⾴
18画
“額”を含む語句
前額
額越
額際
出額
金額
富士額
真額
額付
額髪
額田
巨額
額着
額田王
少額
額縁
扁額
板額
額部
凸額
額堂
...