“片鬢”の読み方と例文
読み方割合
かたびん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
片鬢かたびんの禿げた乞食のおやじが、中気で身動きも出来なくなったのを、綺麗な若い女が来て、知辺しるべの者だからと引取って行ったそうですよ。
銭形平次捕物控:239 群盗 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「宵子さんかんかんって上げましょう」と云って、千代子は鄭寧ていねいにその縮れ毛にくしを入れた。それから乏しい片鬢かたびんを一束いて、その根元に赤いリボンをくくりつけた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
新吉はうちへ帰ると女房が、火傷のあと片鬢かたびんはげちょろになって居り、真黒なあざの中からピカリと眼が光るおばけの様な顔に、赤ん坊は獄門の首に似て居るから、新吉は家へ帰りい事はない。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)