“かたびん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
片鬢72.7%
固鬢18.2%
片鬂9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「宵子さんかんかんって上げましょう」と云って、千代子は鄭寧ていねいにその縮れ毛にくしを入れた。それから乏しい片鬢かたびんを一束いて、その根元に赤いリボンをくくりつけた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
身扮みなりも言葉の樣子も、町人かやくざでしたが、頬冠りの下に、ふくらんでゐる髷の恰好は、野郎頭ぢやありません。あれは髷節が高くて、固鬢かたびんつけでカンカンに固めた武家の髷に違ひありません。ねえお比奈さん」
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「あッ、だんな、まだ片鬂かたびんが残っていますよ。それにおつりも」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)