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額
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ひたひ
ふりがな文庫
“
額
(
ひたひ
)” の例文
「先刻から見て居ると、
額
(
ひたひ
)
に
唾
(
つばき
)
を附けたり、足の親指を曲げたり、色々細工をして居るやうだが、行儀をよくするのも樂ぢやないね」
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四方
(
しはう
)
山の中に立ちたる高さ三百尺の
一孤邱
(
いつこきう
)
、段々畠の上に
些
(
ちと
)
の橄欖の樹あり、
土小屋
(
つちごや
)
五六其
額
(
ひたひ
)
に巣くふ。馬上ながらに
邱上
(
きうじやう
)
を一巡す。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
ヂュリ そのやうなことを
言
(
い
)
ふ
汝
(
そち
)
の
舌
(
した
)
こそ
腐
(
くさ
)
りをれ!
恥
(
はぢ
)
を
掻
(
か
)
かしゃる
身分
(
みぶん
)
かいの、
彼方
(
あのかた
)
の
額
(
ひたひ
)
には
恥
(
はぢ
)
などは
恥
(
はづ
)
かしがって
能
(
よ
)
う
坐
(
すわ
)
らぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そは我かしこにて、魂を神に知らすものなる信仰に入り、後ピエートロこれが爲にかくわが
額
(
ひたひ
)
の
周圍
(
まはり
)
をめぐりたればなり 一〇—一二
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
その後、稻子さんがぽつぽつ書き出された詩や小説を讀む毎に、僕はいつもその稻子さんの秀でた
額
(
ひたひ
)
を思ひ出すやうになりました。
二人の友
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
此は、
額
(
ひたひ
)
ざまに切りつけられた——。免せ/\と言ふところぢやが——、あれはの、生れだちから違ふものな。藤原の氏姫ぢやからの。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
鼻
(
はな
)
の
円
(
まる
)
い、
額
(
ひたひ
)
の
広
(
ひろ
)
い、
口
(
くち
)
の
大
(
おほき
)
い、……
其
(
そ
)
の
顔
(
かほ
)
を、
然
(
しか
)
も
厭
(
いや
)
な
色
(
いろ
)
の
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えたので、
暗夜
(
やみ
)
に
見
(
み
)
ました。……
坊主
(
ばうず
)
は
狐火
(
きつねび
)
だ、と
言
(
い
)
つたんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
はどつかり
坐
(
すわ
)
つた、
横
(
よこ
)
になつたが
又
(
また
)
起直
(
おきなほ
)
る。
而
(
さう
)
して
袖
(
そで
)
で
額
(
ひたひ
)
に
流
(
なが
)
れる
冷汗
(
ひやあせ
)
を
拭
(
ふ
)
いたが
顏中
(
かほぢゆう
)
燒魚
(
やきざかな
)
の
腥膻
(
なまぐさ
)
い
臭
(
にほひ
)
がして
來
(
き
)
た。
彼
(
かれ
)
は
又
(
また
)
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
す。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
打
(
うち
)
ければ
額
(
ひたひ
)
より
血
(
ち
)
流
(
なが
)
れけるに四郎右衞門今は
堪忍
(
かんにん
)
成難
(
なりがた
)
しと思へども其身
病勞
(
やみつかれ
)
て居るゆゑ
何共
(
なにとも
)
詮方
(
せんかた
)
なく無念を堪へ
寥々
(
すご/\
)
とこそ歸りけれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
猫の
額
(
ひたひ
)
ほどの入江に、はしけが這入つてから、やつと、船の動揺はをさまつた。白い砂の
洲
(
す
)
が、雨で洗はれたやうにしめつてゐる。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
然
(
しか
)
しいつの
間
(
ま
)
にか
人
(
ひと
)
が
遠
(
とほ
)
くより
見
(
み
)
るやうに
成
(
な
)
つた。
行
(
ゆ
)
き
違
(
ちが
)
ふ
女房等
(
にようばうら
)
は
額
(
ひたひ
)
に
照
(
て
)
ら
(
ママ
)
れて
眠
(
ねむ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
子
(
こ
)
を
見
(
み
)
て
痛々敷
(
いた/\しい
)
と
思
(
おも
)
ふのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
左様
(
さう
)
ですな」と矢っ張り
煮
(
に
)
え
切
(
き
)
らない答をした。
父
(
ちゝ
)
はじつと代助を見てゐたが、
段々
(
だん/\
)
皺
(
しわ
)
の多い
額
(
ひたひ
)
を
曇
(
くも
)
らした。
兄
(
あに
)
は仕方なしに
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その形が氣に入つて、私の指はそれに目鼻を附けようとどん/\進んだ。濃い眞直な眉はその
額
(
ひたひ
)
の下に描かれなくてはならない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「ふン!」お鳥は
額
(
ひたひ
)
にゆるい皺を澤山寄せて、鏡を引ツたくつて、脇へ投げつける。「あたいだつて、さう惡い顏ぢやない。」
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
一日
僕
(
ぼく
)
を
從
(
したが
)
へて
往來
(
わうらい
)
を
歩
(
ある
)
いて居ると
忽
(
たちま
)
ち
向
(
むかふ
)
から二人の男、
額
(
ひたひ
)
から
汗
(
あせ
)
を
水
(
みづ
)
の如く
流
(
なが
)
し、
空中
(
くうちゆう
)
に
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
りして
走
(
はし
)
りながら
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ハアー……おや
燈火
(
あかり
)
を消したかえ。竹「
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ふんだね、しつかりおしよ、お
前
(
まへ
)
何
(
なに
)
か夢でも見たのかえ、
額
(
ひたひ
)
へ汗をかいてゝさ。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
黄
(
き
)
ばんだ
象牙
(
ざうげ
)
の
額
(
ひたひ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、自分で自分を愛してゐる黄ばんだ
象牙
(
ざうげ
)
の
額
(
ひたひ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
處女
(
をとめ
)
の
夜
(
よる
)
の
祕密
(
ひみつ
)
をお話し、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
シェードに
蔽
(
おほ
)
はれた光線が
恰度
(
ちやうど
)
その
額
(
ひたひ
)
のところまで這ひ上り、そこの黄色を吸ひとつて石のやうに白く光らせてゐる。道助はそれを見てゐた。
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
同時に非常な
疲労
(
つかれ
)
を感じた。
制帽
(
せいぼう
)
を
冠
(
かぶ
)
つた
額
(
ひたひ
)
のみならず汗は
袴
(
はかま
)
をはいた帯のまはりまでしみ出してゐた。
然
(
しか
)
しもう一
瞬間
(
しゆんかん
)
とても休む気にはならない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
或時は前へ立つた儘、両手を左右に挙げて見たり、又或時は後へ来て、まるで眼かくしでもするやうに、そつと妙子の
額
(
ひたひ
)
の上へ手をかざしたりするのです。
アグニの神
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今
(
いま
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
には
憎
(
にく
)
くし
剛慾
(
がうよく
)
もの
事情
(
じじやう
)
あくまで
知
(
し
)
りぬきながら
知
(
し
)
らず
顏
(
がほ
)
の
烟草
(
たばこ
)
ふか/\
身
(
み
)
に
過
(
あやま
)
りあればこそ
疊
(
たゝみ
)
に
額
(
ひたひ
)
ほり
埋
(
うづ
)
めて
歎願
(
たんぐわん
)
も
吹出
(
ふきい
)
だす
烟
(
けむり
)
の
輪
(
わ
)
と
消
(
け
)
して
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
肉は薄い方だ、と謂ツて
尖
(
とが
)
ツた顏といふでは無い。
輪郭
(
りんくわく
)
を取つたら三
角
(
かく
)
に近い方で、
割
(
わり
)
に
額
(
ひたひ
)
が
廣
(
ひろ
)
く、加之
拔上
(
ぬけあが
)
ツて、小鼻まわりに些と目に付く位に
雀斑
(
そばかす
)
がある。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
あゝ横笛、花の如き姿
今
(
いま
)
いづこにある、
菩提樹
(
ぼだいじゆ
)
の
蔭
(
かげ
)
、
明星
(
みやうじやう
)
額
(
ひたひ
)
を
照
(
て
)
らす
邊
(
ほとり
)
、
耆闍窟
(
ぎしやくつ
)
の
中
(
うち
)
、
香烟
(
かうえん
)
肘
(
ひぢ
)
を
繞
(
めぐ
)
るの前、昔の夢を
空
(
あだ
)
と見て、猶ほ我ありしことを思へるや否。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
二人の
意識
(
いしき
)
の中にはたつた三
間
(
ま
)
しかない古びた
貸家
(
かしや
)
である自分の
家
(
いへ
)
が、ほんとに
猫
(
ねこ
)
の
額
(
ひたひ
)
ほどの
庭
(
には
)
が、やつとの
思
(
おも
)
ひで古
道具屋
(
だうぐや
)
から
買
(
か
)
つて※たただ一
脚
(
きやく
)
のトイスが、いや
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『おゝ、
乃公
(
おれ
)
は
如何
(
いか
)
にも
櫻木大佐閣下
(
さくらぎたいさかくか
)
の
部下
(
ぶか
)
なる
武村新八郎
(
たけむらしんぱちらう
)
だ。』と
言
(
い
)
ひながら、
額
(
ひたひ
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
五尺五六寸の、
面長
(
おもなが
)
な、色の白い男で、四十五歳にしては老人らしい所が無い。濃い、細い
眉
(
まゆ
)
は
弔
(
つ
)
つてゐるが、
張
(
はり
)
の強い、鋭い目は眉程には弔つてゐない。広い
額
(
ひたひ
)
に
青筋
(
あをすぢ
)
がある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
又は人の父を
喰殺
(
くひころ
)
してその父にばけて年を
歴
(
へ
)
たるに、一日その子山に入りて
桑
(
くは
)
を
採
(
と
)
るに、
狼
(
おほかみ
)
きたりて人の如く立
其裾
(
そのすそ
)
を
銜
(
くはへ
)
たるゆゑ
斧
(
をの
)
にて狼の
額
(
ひたひ
)
を
斫
(
きり
)
、狼にげ
去
(
さ
)
りしゆゑ家にかへりしに
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
横井は椅子に腰かけたまゝでその姿勢を執つて、眼をつぶると、半分とも經たないうちに彼の上半身が奇怪な形に動き出し、
額
(
ひたひ
)
にはどろ/\汗が流れ出す。横井はそれを「精神統一」と呼んだ。
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
(かの邪宗、その寺の門前に
梟首
(
さらさ
)
れた怪僧の
額
(
ひたひ
)
のやうに)
北原白秋氏の肖像
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
やまかがし草に入りゆくに足とどむ
額
(
ひたひ
)
の
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ふ
)
きつつ吾は
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
下冷
(
したひ
)
えて
額
(
ひたひ
)
ににじむ薄ら汗おもほえばしじに君も生きにき
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
は、
例
(
れい
)
の
額
(
ひたひ
)
の
筋
(
すぢ
)
をピク/\と
動
(
うご
)
かしつゝ
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
うたたねの
額
(
ひたひ
)
にかづく春の袖
繍
(
ぬ
)
ひ
来
(
こ
)
牡丹とこがねの蝶と
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
春の風広き
額
(
ひたひ
)
にやはらかき髪なびかせし人をしぞ思ふ
かろきねたみ
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
そが
額
(
ひたひ
)
とおぼしきあたりの骨にもわれは手觸れつ。
生けるものと死せるものと
(旧字旧仮名)
/
アンナ・ド・ノアイユ
(著)
かたぶきて夫人に倣ふ
額
(
ひたひ
)
をば嫩江に置く細き月かな
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
又その
額
(
ひたひ
)
おほふべき精巧華美の甲造り、 610
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
ああ、かの広き
額
(
ひたひ
)
と、
鉄槌
(
てつつゐ
)
のごとき
腕
(
かひな
)
と
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
若鬼輩
(
わかおにども
)
、ひこ/\と
額
(
ひたひ
)
の
角
(
つの
)
を
蠢
(
うごめ
)
かし
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そのものの
額
(
ひたひ
)
の上にかざされぬ。
蝶を夢む
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
若葉に露の置く
如
(
ごと
)
く
額
(
ひたひ
)
に汗して
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
むづがゆき
額
(
ひたひ
)
を赤めをさな
兒
(
ご
)
は
虱とるひと
(旧字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
机の上にぴたつと
額
(
ひたひ
)
をつけた。
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
酒と舌
額
(
ひたひ
)
の皺の伸びる刹那
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
つめたき
額
(
ひたひ
)
にかむらせよ
測量船
(新字旧仮名)
/
三好達治
(著)
あかがねの
額
(
ひたひ
)
日にゆれ
小曲二十篇
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
凍りはてたる
額
(
ひたひ
)
には
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
露ふりそゝぐ
額
(
ひたひ
)
眉
(
まゆ
)
。
花枕
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
額
(
ひたひ
)
に垂れし
下髮
(
おはなり
)
の
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
野幇間
(
のだいこ
)
を家業のやうにして居る
巴屋
(
ともゑや
)
七平は、血のやうな赤酒を注がせて、少し
光澤
(
つや
)
のよくなつた
額
(
ひたひ
)
を、ピタピタと叩くのです。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“額”の意味
《名詞》
(ガク)金銭の量。金額。
(ガク)書画などを入れ壁にかけるなどして飾るための枠。額縁。
(ひたい)顔のうち、髪の生えぎわからまゆまでの部分。おでこ。
(ぬか)(古) ひたい。
(出典:Wiktionary)
“額”の解説
額(ひたい)は、顔の上部で、眉と髪の生え際の間のことである。くだけた言い方でおでこ(でこ)、古語ではぬかともいう。眉と眉の間は特に眉間(みけん)という。
(出典:Wikipedia)
額
常用漢字
小5
部首:⾴
18画
“額”を含む語句
前額
額越
額際
出額
金額
富士額
真額
額付
額髪
額田
巨額
額着
額田王
少額
額縁
扁額
板額
額部
凸額
額堂
...