それからもう數年になるのである。 ある日のこと、僕が田端の室生さんのところへ行つたら、室生さんは「昨日は面白い男がきたよ」と云つた。その男は自分は五十位になつたらいい抒情詩が書けさうだと云つてゐたさうだ。そして大へん酒が好きで、そのためかど …
著者 | 堀辰雄 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「詩神 第六巻第七号」1930(昭和5)年7月号、「文學界 第一巻第四号」1934(昭和9)年9月号 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約7分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約11分(300文字/分) |