“寥々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
りょうりょう87.8%
れうれう4.9%
すご/\2.4%
りようりよう2.4%
れう/\2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さるにても、御坊塚おんぼうづかのこの本陣も昼の一頃ひところにくらべると、何と、寥々りょうりょうたる松風の声ばかりではあると、彼は、憮然ぶぜんとして見まわした。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あはれ暮風一曲の古調に、心絃挽歌しんげんばんか寥々れうれうとして起るが如く、一身ために愁殺されをはんぬるの時、堤上に石と伏して幾度か狂瀾の飛沫を浴びたるも、我と此古帽なりき。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うちければひたひよりながれけるに四郎右衞門今は堪忍かんにん成難なりがたしと思へども其身病勞やみつかれて居るゆゑ何共なにとも詮方せんかたなく無念を堪へ寥々すご/\とこそ歸りけれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さては何の怪むところ有らん。節は初夏のだ寒き、この寥々りようりようたる山中にきた宿とまれる客なれば、保養鬱散の為ならずして、湯治の目的なるを思ふべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
見渡すかぎり、両側の森林これを覆ふのみにて、一個の人影じんえいすらなく、一縷いちるの軽煙すら起らず、一の人語すら聞えず、寂々せき/\寥々れう/\として横はつて居る。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)