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寥々
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すご/\
打ければ
額より
血流れけるに四郎右衞門今は
堪忍成難しと思へども其身
病勞て居るゆゑ
何共詮方なく無念を堪へ
寥々とこそ歸りけれ
も爲べけれども母を
連て
遙々來りしなればと
燃立胸を
摩り何事も
勘辨して
寥々金屋の家を
歎願せしに
最早罪科極り
御所刑付へ老中方の判も
据りたり今少し早くば致方も
有べきに今更是非なしとの事なれば吉右衞門平兵衞共に
途方に
暮れ
寥々と歸りしが吉右衞門は
如何程金子入用にても何卒喜八を