“ハンカチ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:はんかち
語句割合
手巾70.8%
手帛15.3%
半巾8.3%
半帛2.8%
手布1.4%
手帕1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて、女は独りごとのようにいうと、敏捷な手つきで、白い手巾ハンカチを前髪の上にひろげた。その日、女は濃紺の細いタフタで、髪を束ねていた。
昼の花火 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
彼は思わず首をちぢめながら、砂埃すなほこりの立つのを避けるためか、手巾ハンカチに鼻をおおっていた、田口たぐち一等卒に声をかけた。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こう言って彼女は、あかるく電灯に照された応接室へ、静也を引摺るようにして案内した。静也は籐椅子に腰を下し、手巾ハンカチで汗をふいてから、
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ピシャリと、柿丘の頬に、まぬるいものが当ると、耳のうしろをかすめて、手帛ハンカチらしい一つかみほどのものがパッとひるがえって落ちた。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのひとは、いつも手を合せて、永い間、懐中から手帛ハンカチにつつんだ写真をとり出して、それを膝の上にのせては低い声で何か祈りながら、板敷の上に坐っていた。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
麻雀ガールのとよちゃんが、鼻の頭に噴きだした玉のような汗を、クシャクシャになった手帛ハンカチで拭き拭き、そう云った。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その顔を、じっと、見つめながら、紳士は洋服のかくしから半巾ハンカチを取り出した。そっと両方の眼を拭っているのである。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まるで一枚の半巾ハンカチでも飛んで来るように、白い前掛をした女が彼方から走って来た。ちょうど海から霧が上陸あがって来て、街燈の灯まで二重になって見えるように往来がけぶっていた。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その終りかける頃、その婦人がふいと半巾ハンカチを取りだして顔にあてがったのを私は認めた。
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
彼は、半帛ハンカチで、それをぬぐおうとして、紙面に顔を近づけた瞬間、ウムとうめくと、われとわが咽喉をきむしるようにして、其儘そのままえた身体を、卓子の上に、パタリと伏せ、やがて、ダラリと動かなくなった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
やけに半帛ハンカチで口を拭いてるんですよ
耳香水 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
一方、新造や娘たちは刺繍ぬひのある手布ハンカチで口ばたを拭つて、再び自分たちの列から前へ進み出た。
何處の所だつたか、攝津が「お前と手分して尋ねようと思うて云々」と語ると、棧敷のそこここで忽ち多くの手帕ハンカチが眼にあてられたのであつた。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
殺鼠劑の商標に猫が手帕ハンカチで涙を拭つて居る圖は見覺えのあるものであるが、PARK 公園などと云ふ石鹸は餘程名に困つた物と見える。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)