“ふくさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
袱紗52.7%
帛紗30.9%
服紗9.1%
2.7%
2.7%
袱包0.9%
袱帛0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたしゃ今こそおまえに、精根せいこんをつくしたお化粧けしょうを、してあげとうござんす。——紅白粉べにおしろいは、いえとき袱紗ふくさつつんでってました。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
帛紗ふくさのまゝ押しやつたのは、どう少く見ても、百兩は下らなかつたでせう。が、それを見ると松五郎の忿怒は爆發點に達しました。
この人が、塩瀬の服紗ふくさに包んだ一管の横笛を袴腰に帯びていた。貸本屋の女房がのっけに、薦僧こもそうと間違えたのはこれらしい。……ばかりではない。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同じ日に浜町の後室から「しま縮緬一反」、故酒井忠質室専寿院ただたかしつせんじゅいんから「高砂たかさご染縮緬ふくさ二、扇二本、包之内つつみのうち」を賜った。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ふくさをかけて差し出せば。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
身は今旅の旅にりながら風雲のおもいなおみ難くしきりに道祖神にさわがされて霖雨りんうの晴間をうかがい草鞋わらじ脚半きゃはんよと身をつくろいつつ一個の袱包ふくさを浮世のかたみににのうて飄然ひょうぜんと大磯の客舎を
旅の旅の旅 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
海録に據れば、八百屋お七の地主河内屋のむすめ島は眞志屋の祖先のもとへ嫁入して、其時お七のくれた袱帛ふくさを持つて來た。河内屋も眞志屋の祖先も水戸家の用達であつた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)