“布帛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きれ50.0%
おりもの16.7%
きぬ16.7%
ふきん16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
村役場と駐在所が中央なか程に向合つてゐて、役場の隣が作右衛門店、よろづ荒物から酢醤油石油たばこ、罎詰の酒もあれば、前掛半襟にする布帛きれもある。箸でちぎれぬ程堅い豆腐も売る。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
布帛おりもの十匹を贈り、また肉や酒の類はなくならないうちにうちにと送ってきた。
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
七巻ななまき八巻やまき織りかけたる布帛きぬはふつふつと切れて風なきに鉄片と共に舞い上る。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこの長火鉢の傍には、黄色い布帛ふきんが懸けてある、彼の遅い朝の食台が待つてゐた。彼は急いで楊子を使ふと、そゝくさとその朝飯とも昼飯ともつかぬ物に向つた。
(新字旧仮名) / 久米正雄(著)