“ふきん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
布巾47.6%
付近19.4%
附近17.5%
拭布4.9%
拭巾3.9%
斧斤1.9%
賦金1.9%
布帛1.0%
普近1.0%
腐菌1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
弟子は大きな銅鉢どうばちに、何かの薬をいつぱい盛つて、布巾ふきんを添へて持つて来た。ソン将軍は両手を出して鉢をきちんと受けとつた。
北守将軍と三人兄弟の医者 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
もう一つの木は、南米およびその付近ふきんの島だけに生ずる、アルガロッペとしょうするもので、これも酒をつくることができる、一同はゴルドンの指揮しきしたがって、この二種の木の実を採集さいしゅうした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
紅葉もみぢうつくしさは、植物しよくぶつそのものゝ種類しゆるいと、その發生はつせい状態じようたいとでそれ/″\ちがひますが、一面いちめんには附近ふきん景色けしきにも左右さゆうされるものです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
おくみは袋戸棚の抽斗ひきだしから、おかみさんにさし上げるお茶碗を出して拭布ふきんをかけながら言つた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
とぼけた手拭、片襷かただすきで、古ぼけた塗盆へ、ぐいと一つ形容の拭巾ふきんをくれつつ
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
谷に沿うたところにはさわらが多くございますが、奥へ行くとひのきが多いのでございます、千古せんこ斧斤ふきんを入れぬ檜林が方何十里というもの続いているところは、恐ろしいほどの壮観でございます。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大略公園地の法度はっとに準じ、賦金ふきんまたは有志の寄附金等をもって、都会の地ごとに壮麗・宏雄なる公堂を建築し、衆庶公楽のところとなし、かみ (ママ)皇上よりしもは平民に至るまで
国楽を振興すべきの説 (新字新仮名) / 神田孝平(著)
そこの長火鉢の傍には、黄色い布帛ふきんが懸けてある、彼の遅い朝の食台が待つてゐた。彼は急いで楊子を使ふと、そゝくさとその朝飯とも昼飯ともつかぬ物に向つた。
(新字旧仮名) / 久米正雄(著)
郡界普近ふきん(会津図幅も参照せり)には鶴ヶ岳の山名を欠けり、こは殆んど現今の地図にひとしきものにして、入岩岳とは鶴ヶ岳のことなり、鶴ヶ岳の称呼は越後方面の名なるが如く
平ヶ岳登攀記 (新字新仮名) / 高頭仁兵衛(著)
全盛期を過ぎた伎芸ぎげいの女にのみ見られるような、いたましく廃頽はいたいした、腐菌ふきん燐光りんこうを思わせる凄惨せいさん蠱惑力こわくりょくをわずかな力として葉子はどこまでも倉地をとりこにしようとあせりにあせった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)