斧斤ふきん)” の例文
白河の関址と申すところは、一の広袤くわうぼうある丘陵を成し、樹木鬱蒼うつさうとして、古来斧斤ふきんを入れざるものあり、巨大なる山桜のさるをがせを垂れたるもの、花の頃ぞさこそと思はれ申候。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
谷に沿うたところにはさわらが多くございますが、奥へ行くとひのきが多いのでございます、千古せんこ斧斤ふきんを入れぬ檜林が方何十里というもの続いているところは、恐ろしいほどの壮観でございます。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)