“椹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さわら88.2%
さはら11.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
対岸には山が迫って、檜木、さわらの直立した森林がその断層をおおうている。とがった三角を並べたように重なり合った木と木のこずえの感じも深い。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何処も彼処もぴかぴかと黒く光るなかへこればかりは新らしく容れられた縁の部厚なさわらの風呂桶の生々しい肌の色が、白くほっかりと浮んで見えた。
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
檜木ひのきさはら明檜あすひまき𣜌ねず——それを木曾きそはうでは五木ごぼくといひまして、さういふえたもりはやしがあのふか谷間たにあひしげつてるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
メロンの包みを抱いて、くみ子がさはらの垣根のそばにきまり惡さうに立つた待つてゐた。母は初めは不快さうだつたが、それでもお上りなさいと云つてゐる。
多摩川 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)