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ふきん
ふりがな文庫
“
附近
(
ふきん
)” の例文
と、
海蔵
(
かいぞう
)
さんがいいました。そばに
来
(
き
)
てみると、それはこの
附近
(
ふきん
)
の
土地
(
とち
)
を
持
(
も
)
っている、
町
(
まち
)
の
年
(
とし
)
とった
地主
(
じぬし
)
であることがわかりました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
紅葉
(
もみぢ
)
の
美
(
うつく
)
しさは、
植物
(
しよくぶつ
)
そのものゝ
種類
(
しゆるい
)
と、その
發生
(
はつせい
)
の
状態
(
じようたい
)
とでそれ/″\
異
(
ちが
)
ひますが、
一面
(
いちめん
)
には
附近
(
ふきん
)
の
景色
(
けしき
)
にも
左右
(
さゆう
)
されるものです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
またギリシヤの
文明
(
ぶんめい
)
の
開
(
ひら
)
ける
前
(
まへ
)
に、クリートの
嶋
(
しま
)
やその
附近
(
ふきん
)
において
發達
(
はつたつ
)
した
文明
(
ぶんめい
)
も、やはり
青銅器
(
せいどうき
)
の
時代
(
じだい
)
に
屬
(
ぞく
)
するのでありました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
敢
(
あえ
)
て私のみではない。盗難のあった
其
(
そ
)
れ以来、崖下の庭、古井戸の
附近
(
ふきん
)
は、父を除いて
一家中
(
いっかちゅう
)
の
異懼
(
いく
)
恐怖の中心点になった。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
何
(
な
)
にしろ
附近
(
ふきん
)
に
医師
(
いし
)
らしいものは
居
(
い
)
ない
所
(
ところ
)
なので、
漁師達
(
りょうしたち
)
が
寄
(
よ
)
ってたかって、
水
(
みず
)
を
吐
(
は
)
かせたり、
焚火
(
たきび
)
で
煖
(
あたた
)
めたり、いろいろ
手
(
て
)
を
尽
(
つく
)
しましたが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
いまの
名残
(
なごり
)
の
吹
(
ふ
)
きあおられた
落葉
(
おちば
)
が、まだ一ひら二ひら
宙
(
ちゅう
)
に
舞
(
ま
)
っているのでもわかる。
鷲
(
わし
)
がこの
源氏閣
(
げんじかく
)
の
附近
(
ふきん
)
におりたのは
事実
(
じじつ
)
にちがいない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
二首
(
にしゆ
)
の
歌
(
うた
)
は、
疑
(
うたが
)
ひもなく、
景色
(
けしき
)
を
詠
(
よ
)
んだ
歌
(
うた
)
であります。
畝傍山
(
うねびやま
)
附近
(
ふきん
)
の、
小
(
ちひ
)
さな
範圍
(
はんい
)
の
自然
(
しぜん
)
を
歌
(
うた
)
つた、いはゆる
敍景詩
(
じよけいし
)
といふものであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
それは、トーケルン
湖
(
こ
)
の
附近
(
ふきん
)
に住んでいる
百姓
(
ひゃくしょう
)
たちが、湖を
干
(
ほ
)
す
相談
(
そうだん
)
をいくどもして、いよいよそれがきまりかかっていることを知っていたからです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
伊豆南方
(
いづなんぽう
)
の
洋底
(
ようてい
)
は
航海中
(
こうかいちゆう
)
の
船舶
(
せんぱく
)
が
水柱
(
みづばしら
)
を
望見
(
ぼうけん
)
し、
或
(
あるひ
)
は
鳴動
(
めいどう
)
に
伴
(
ともな
)
つて
黒煙
(
くろけむり
)
のあがるのを
見
(
み
)
ることもあり、
附近
(
ふきん
)
の
海面
(
かいめん
)
に
輕石
(
かるいし
)
の
浮
(
うか
)
んでゐるのに
出會
(
であ
)
ふこともある。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
附近
(
ふきん
)
を乗り
廻
(
まわ
)
していたぼくの瞳に、道路の真中で、五六人の少年少女が集まり、リンキイが先に立って、なに事か、一心不乱に、働いているのがみえました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
加
(
くわ
)
ふるに
橄欖島
(
かんらんたう
)
の
附近
(
ふきん
)
には、
始終
(
しじう
)
有名
(
いうめい
)
なる
海賊船
(
かいぞくせん
)
が
横行
(
わうかう
)
し、また
屡々
(
しば/\
)
、
歐洲
(
をうしう
)
諸國
(
しよこく
)
の
軍艦
(
ぐんかん
)
も
巡航
(
じゆんかう
)
して
來
(
き
)
ますから、
其邊
(
そのへん
)
に
我
(
わ
)
が
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
が
機關
(
きくわん
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
失
(
うしな
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
三十七
年
(
ねん
)
の
正月
(
しやうぐわつ
)
二
日
(
か
)
、
掘初
(
ほりそめ
)
として
余
(
よ
)
は
望玄
(
ぼうげん
)
二
子
(
し
)
を
從
(
したが
)
へて
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ると、
這
(
こ
)
は
如何
(
いか
)
に、
掘
(
ほ
)
りかけて
居
(
ゐ
)
た
穴
(
あな
)
の
附近
(
ふきん
)
に、
大男
(
おほをとこ
)
が六七
人
(
にん
)
居
(
ゐ
)
る。
然
(
さ
)
うして
枯萱
(
かれかや
)
を
刈
(
か
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
が、
同
(
おな
)
じ
月
(
つき
)
、
同
(
おな
)
じ
夜
(
よ
)
の
其
(
そ
)
の
命日
(
めいにち
)
は、
月
(
つき
)
が
晴
(
は
)
れても、
附近
(
ふきん
)
の
町
(
まち
)
は、
宵
(
よひ
)
から
戸
(
と
)
を
閉
(
と
)
ぢるさうです、
眞白
(
まつしろ
)
な十七
人
(
にん
)
が
縱横
(
じうわう
)
に
町
(
まち
)
を
通
(
とほ
)
るからだと
言
(
い
)
ひます——
後
(
あと
)
で
此
(
これ
)
を
聞
(
き
)
きました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
反対された寺田は実家を飛び出すと、銀閣寺
附近
(
ふきん
)
の西田町に家を借りて一代と
世帯
(
しょたい
)
を持った。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
その
頃
(
ころ
)
は日の
詰
(
つま
)
って行くせわしない秋に、誰も注意を
惹
(
ひ
)
かれる
肌寒
(
はださむ
)
の季節であった。先生の
附近
(
ふきん
)
で盗難に
罹
(
かか
)
ったものが三、四日続いて出た。盗難はいずれも宵の口であった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのときあちこちの氷山に、大循環
到着者
(
とうちゃくしゃ
)
はこの
附近
(
ふきん
)
に
於
(
おい
)
て数日間休養すべし、帰路は各人の任意なるも
障碍
(
しょうがい
)
は来路に倍するを
以
(
もっ
)
て
充分
(
じゅうぶん
)
の
覚悟
(
かくご
)
を要す。海洋は
摩擦
(
まさつ
)
少きも
却
(
かえ
)
って速度は大ならず。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「くず」と云う地名は、吉野川の沿岸
附近
(
ふきん
)
に二
箇所
(
かしょ
)
ある。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
潜𤍠
(
せんねつ
)
といふのは
物體
(
ぶつたい
)
が
融解
(
ゆうかい
)
したり、また
蒸發
(
じようはつ
)
するときに
要
(
よう
)
する
𤍠量
(
ねつりよう
)
です。そんなわけで
森林
(
しんりん
)
の
附近
(
ふきん
)
の
空氣
(
くうき
)
はいつも
冷
(
ひ
)
えてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
それで、その
當時
(
とうじ
)
の
人
(
ひと
)
が
住居
(
じゆうきよ
)
した
跡
(
あと
)
が
海岸
(
かいがん
)
附近
(
ふきん
)
に
遺
(
のこ
)
つてゐて、かれ
等
(
ら
)
が
食
(
く
)
つてすてた
貝殼
(
かひがら
)
や、
魚
(
さかな
)
や
獸
(
けだもの
)
の
骨
(
ほね
)
などがたまつてゐる
所
(
ところ
)
があります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
肉体
(
にくたい
)
は
通例
(
つうれい
)
附近
(
ふきん
)
の
森蔭
(
もりかげ
)
や
神社
(
やしろ
)
の
床下
(
ゆかした
)
などに
隠
(
かく
)
し
置
(
お
)
き、ただ
引
(
ひ
)
き
抽
(
ぬ
)
いた
魂
(
たましい
)
のみを
遠方
(
えんぽう
)
に
連
(
つ
)
れ
出
(
だ
)
すものでござる。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其夜
(
そのよ
)
大雨
(
たいう
)
が
降
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
したので、これ
迄
(
まで
)
野營
(
やえい
)
を
續
(
つゞ
)
けてゐた
附近
(
ふきん
)
の
被害民
(
ひがいみん
)
は、
皆
(
みな
)
此
(
こ
)
の
潰
(
つぶ
)
れ
殘
(
のこ
)
りの
家
(
いへ
)
に
集
(
あつ
)
まつて
來
(
き
)
て
餘
(
あま
)
り
大勢
(
おほぜい
)
でありし
爲
(
ため
)
、
混雜
(
こんざつ
)
はしたけれども、
皆
(
みな
)
口々
(
くち/″\
)
に
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
して、
櫻木君
(
さくらぎくん
)
の
一行
(
いつかう
)
は
意外
(
ゐぐわい
)
の
天變
(
てんぺん
)
のために、
來
(
きた
)
る二十五
日
(
にち
)
拂曉
(
ふつげう
)
、
橄欖島
(
かんらんたう
)
の
附近
(
ふきん
)
にて
貴下等
(
きから
)
の
應援
(
おうえん
)
を
待
(
ま
)
つのですか、よろしい、
斯
(
か
)
く
承
(
うけたま
)
はる
以上
(
いじやう
)
は
最早
(
もはや
)
憂慮
(
いうりよ
)
するには
及
(
およ
)
びません。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
また
暫
(
しばら
)
くして、日本選手一同が
揃
(
そろ
)
って、ベニスという下町へ遊びに行った日がありました。
附近
(
ふきん
)
で、いちばん大きなダウンタアオンで、
途中
(
とちゅう
)
の風光の美しさも類のないものでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
高山
(
こうざん
)
にはよくさういふ
凹地
(
くぼち
)
に
水
(
みづ
)
を
湛
(
たゝ
)
へて、
時
(
とき
)
には
沼地
(
ぬまち
)
を
形
(
かたち
)
づくり、
附近
(
ふきん
)
の
岩
(
いは
)
の
間
(
あひだ
)
に
雪
(
ゆき
)
をためてゐたりするところがあります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
この
貝塚
(
かひづか
)
の
附近
(
ふきん
)
だとか、
石器時代
(
せつきじだい
)
の
人
(
ひと
)
が
棲
(
す
)
んでゐた
跡
(
あと
)
を
發掘
(
はつくつ
)
する
時
(
とき
)
は、をり/\
石
(
いし
)
でもつて
取
(
と
)
り
圍
(
かこ
)
んだ
爐
(
ろ
)
の
跡
(
あと
)
だとか
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
かうして
鎔岩
(
ようがん
)
に
荒
(
あら
)
された
損害
(
そんがい
)
も
大
(
おほ
)
きいが、それよりも
火山灰
(
かざんばひ
)
のために
荒廢
(
こうはい
)
した
土地
(
とち
)
の
損害
(
そんがい
)
、
地盤沈下
(
じばんちんか
)
によつて
失
(
うしな
)
はれた
附近
(
ふきん
)
の
水田
(
すいでん
)
或
(
あるひ
)
は
鹽田
(
えんでん
)
の
損害
(
そんがい
)
はそれ
以上
(
いじよう
)
であつて
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
そこで、
何方
(
どちら
)
でも、
早
(
はや
)
く
橄欖島
(
かんらんたう
)
に
到着
(
たうちやく
)
した
方
(
ほう
)
は、
向
(
むか
)
ふ
一週間
(
いつしゆうかん
)
の
間
(
あひだ
)
、
其
(
その
)
島
(
しま
)
の
附近
(
ふきん
)
で
待合
(
まちあ
)
はせ、
一週間
(
いつしゆうかん
)
※
(
すぎ
)
て
後
(
のち
)
も
他
(
た
)
の
一方
(
いつぽう
)
が
見
(
み
)
えぬ
時
(
とき
)
には、
最早
(
もはや
)
運命
(
うんめい
)
の
盡
(
つき
)
と
覺悟
(
かくご
)
を
定
(
さだ
)
める
筈
(
はづ
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
あちらに
見
(
み
)
ゆる
遠景
(
えんけい
)
が
丁度
(
ちょうど
)
油壺
(
あぶらつぼ
)
の
附近
(
ふきん
)
に
似
(
に
)
て
居
(
お
)
りますので、うっかり
話頭
(
はなし
)
が
籠城時代
(
ろうじょうじだい
)
の
事
(
こと
)
に
向
(
むか
)
いますと、
良人
(
おっと
)
の
様子
(
ようす
)
が
急
(
きゅう
)
に
沈
(
しず
)
んで、さも
口惜
(
くや
)
しいと
言
(
い
)
ったような
表情
(
ひょうじょう
)
を
浮
(
うか
)
べるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
みんなはお
喋
(
しゃべ
)
りな小鳥のようにぺちゃくちゃ
囀
(
さえず
)
りながら、
附近
(
ふきん
)
のデッキ・チェアに群がりましたが、ぼくの顔をみるや、急に内田さんから始まって、ひそひそ話になり、一度にぱっと飛びたって
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
“附近”の意味
《名詞》
附 近(ふきん 付近)
ある地点に近接する一帯。
(出典:Wiktionary)
附
常用漢字
中学
部首:⾩
8画
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
“附”で始まる語句
附
附着
附添
附合
附纏
附木
附加
附人
附物
附絡