拭巾ふきん)” の例文
外湯に入りつけないお増は、自身湯殿へおりて、風呂の湯をきつけたり、しばらく手にかけない長火鉢に拭巾ふきんをかけたりして働いていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
とぼけた手拭、片襷かただすきで、古ぼけた塗盆へ、ぐいと一つ形容の拭巾ふきんをくれつつ
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
拭巾ふきんがあるでしょう。
「お庄ちゃん厭……初めての家はやっぱり厭なような気がするんでしょうよ。」と、女はわきの方を向きながら、拭巾ふきんで火鉢のふちを拭いていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)