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帛
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きれ
ふりがな文庫
“
帛
(
きれ
)” の例文
なるほど積まれた本と本との間の極く狭い空地に、ボロ
帛
(
きれ
)
を下に敷いて見覚えのある時計とニッケル貨幣とがチョンと載っていた。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし
袖印
(
そでじるし
)
だけは届け出での社名を用いることになっていて、わたしもカーキー服の左の腕に東京通信社と
紅
(
あか
)
く縫った
帛
(
きれ
)
を巻いていました。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
写真のお増は、たっぷりした髪を
銀杏返
(
いちょうがえ
)
しに結って、そのころ
流行
(
はや
)
った白い
帛
(
きれ
)
を
顎
(
あご
)
まで巻きつけて、コートを着ていた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
伜の死骸の側へ行くと、伊左衞門はガツクリ膝を折つて愛撫するやうにその顏を隱した
帛
(
きれ
)
を取りました。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
モニカは雨水を
帛
(
きれ
)
に
浸
(
し
)
ませて菊丸の口の中へ絞りこみ、どこかに生きているしるしがないかと、じっと顔をながめていたが、もう生きかえる
宛
(
あて
)
がないことがわかると
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
女房などはこちらにいいのがたくさんあるようだから、当分あちらの娘付きにさせておくがいい。帳台の
帛
(
きれ
)
なども新調しただろう、にわかなことで間に合わないから、それを
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
賢所
(
かしこどころ
)
の宝剣と御鏡とは、行宮を落ちて出るとき、
帳
(
とばり
)
の
帛
(
きれ
)
を裂いて、彼がきびしく背に守っていたのである。御諚にまかせ、それを兄藤房へわたすと、彼はどこかへ走って行った。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黒き箪笥の
傍
(
そば
)
に、廊下より
入
(
い
)
り
来
(
く
)
るようになりおる入口あり。右手の壁の前には、窓に近き処に寝椅子あり。これに
絨緞
(
じゅうたん
)
を掛く。その上にはまた
金糸
(
きんし
)
の
繍
(
ぬい
)
ある派手なる
帛
(
きれ
)
を
拡
(
ひろ
)
げあり。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
清三は枕の白い
帛
(
きれ
)
を噛んだ、
泪
(
なみだ
)
が熱く頬を伝って落ちた。
須磨寺附近
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
帛
漢検1級
部首:⼱
8画
“帛”を含む語句
手帛
布帛
裂帛
幣帛
垂帛
金帛
上帛
帛紗包
巻帛
薄帛
帛紗
竹帛
小帛
半帛
被帛
卷帛
余帛
裂帛的
財帛
袱帛
...