淫奔いたづら)” の例文
六三ろくさいとまつたくより、こヽろむすぼほれてくることく、さて慈愛じあいふかき兄君あにぎみつみともはでさし置給おきたま勿体もつたいなさ、七万石ひちまんごくすゑうまれておやたまとも愛給めでたまひしに、かはらにおとる淫奔いたづらはづかしく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
屡瞬しばたゝき是お節其方そなたは此九助と夫婦に成たるは前世ぜんせよりの惡縁ならん我は天地の神祇しんぎ照覽せうらんあれ人など殺せし覺えは露聊つゆいさゝかもなきなれど是皆伯父九郎兵衞が惡巧わるたくみより無實の罪におちいる事と推量すゐりやうはなしながら證據しようこなき故辯解いひわけたゝず是と云も先立れし親々への孝行と思ばこそ不義淫奔いたづらせし先妻せんさいお里憎ひ奴とは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)