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いたづら
ふりがな文庫
“
惡戲
(
いたづら
)” の例文
新字:
悪戯
「もし、
飛
(
と
)
んだ
目
(
め
)
にお
逢
(
あ
)
ひなさいましたね。
今
(
いま
)
の
奴
(
やつ
)
は
何
(
なん
)
て
惡戲
(
いたづら
)
をするんだらう、
途法
(
とはふ
)
もない。いや、しかし、
烈
(
はげ
)
しい
日中
(
につちう
)
、
尊頭
(
そんとう
)
。」
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
つい
二三日前
(
にさんちまへ
)
迄
(
まで
)
其所
(
そこ
)
へ
立
(
た
)
てゝ
置
(
お
)
いたのですが、
例
(
れい
)
の
子供
(
こども
)
が
面白
(
おもしろ
)
半分
(
はんぶん
)
にわざと
屏風
(
びやうぶ
)
の
影
(
かげ
)
へ
集
(
あつ
)
まつて、
色々
(
いろ/\
)
な
惡戲
(
いたづら
)
をするものですから
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
與吉
(
よきち
)
は
斜
(
なゝめ
)
に
身
(
み
)
を
置
(
お
)
くのが
少
(
すこ
)
し
窮屈
(
きうくつ
)
であつたのと、
叱言
(
こごと
)
がなければ
唯
(
たゞ
)
惡戲
(
いたづら
)
をして
見
(
み
)
たいのとで
側
(
そば
)
な
竈
(
かまど
)
の
口
(
くち
)
へ
別
(
べつ
)
に
自分
(
じぶん
)
で
落葉
(
おちば
)
の
火
(
ひ
)
を
點
(
つ
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
翌日山本はその
惡戲
(
いたづら
)
した友が誰であるかを打明けろと圭一郎に迫つたが彼が
頑
(
かたく
)
なに押默つてゐると山本は圭一郎の頬を平手で毆りつけた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
乃至
(
ないし
)
は
眞夜中
(
まよなか
)
に
馬
(
うま
)
の
鬣
(
たてがみ
)
を
紛糾
(
こぐらか
)
らせ、
又
(
また
)
は
懶惰女
(
ぶしゃうをんな
)
の
頭髮
(
かみのけ
)
を
滅茶滅茶
(
めちゃめちゃ
)
に
縺
(
もつ
)
れさせて、
解
(
と
)
けたら
不幸
(
ふかう
)
の
前兆
(
ぜんてう
)
ぢゃ、なぞと
氣
(
き
)
を
揉
(
も
)
まするもマブが
惡戲
(
いたづら
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
何をするのだと訊くと、にや/\笑つてゐて答へなかつたが、やがてどうも狐や狸の
惡戲
(
いたづら
)
がひどいので毎晩斯うして御飯を上げて置くのだといふ。
山寺
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
もう大丈夫で、床の上へ起き直つて居ります。元日早々こんな手の混んだ
惡戲
(
いたづら
)
をされちや縁起が惡いから、とことんまで調べて頂いて、仕掛けた人を
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
東京から大阪へ來ると東京の商業はまるで子供の
惡戲
(
いたづら
)
だと云ふやうな氣がするといふ事から説き起して、大阪の人の時を
愛
(
を
)
しみ、金を崇ぶ事を語り
京阪聞見録
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
お霜婆の家でも毎年蠶を飼ひましたが、ある時私は婆さんの大切にして居る蠶に煙草の
脂
(
やに
)
を
嘗
(
な
)
めさせました。斯の
惡戲
(
いたづら
)
は非常に婆さんを怒らせました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
わしが初めて東京から歸つて來た年に大病に
罹
(
かか
)
つて座敷で寢てると、勝が
蚊帳
(
かや
)
の側へ
匐
(
は
)
つて來ちや
惡戲
(
いたづら
)
をしたり小便を垂れたりして煩くつて困つたよ。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
ゴシツプの興味ならば、對手への中傷や、意地惡やもしくは單なる面白がりの
惡戲
(
いたづら
)
にすぎないだらう。所が僕の意志は、丁度その正反對の所にあるのだ。
室生犀星に与ふ
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
いつも
惡戲
(
いたづら
)
をしましたのよ! メアリーは、眠たがりでいつもその計畫に身を入れてはくれませんでしたの。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
齡の若さうな痩せた鹿毛が鼻尖で積んだ雪に
惡戲
(
いたづら
)
をして居る。相島は其の馬をさすりながら又足駄を雪の中に踏み込んで門を這入ると、玄關の前に井田が居た。
半日
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
無邪氣な
惡戲
(
いたづら
)
の末、片意地に芝居見を
強請
(
せが
)
んだ末、弟を泣かした末、私は終日土藏の中に押し
込
(
こ
)
められて泣き叫んだ。その
窓
(
まど
)
の下には
露草
(
つゆくさ
)
の仄かな花が咲いてゐた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
後
(
うしろ
)
から、一人の男が、何か
惡戲
(
いたづら
)
をして遁げて來たらしい容子で、息を切らしてあたふた走り過ぎたが、だれか追つかけて來るものを待ち設けるやうに後を振り返りながら
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
藤野さんは、何學科でも成績が
可
(
よ
)
かつた。
何日
(
いつ
)
であつたか、二年生の女生徒共が、何か授業中に
惡戲
(
いたづら
)
をしたといつて、先生は藤野さんを例に引いて
誡
(
いまし
)
められた事もあつた樣だ。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
自分は一緒に
惡戲
(
いたづら
)
つ子だつた中學時代の友達の、今川燒のやうにまあるく平べつたくて、しかもぶよぶよしてゐた顏中を想ひ出しながら、
狼狽
(
あわ
)
てて飛起きて洗面場に馳けて行つた。
貝殻追放:013 先生の忠告
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
自己の
惡戲
(
いたづら
)
氣質を滿足せしむるもあれば(金の劉祁の『歸潛志』卷六參看)、更に唐の玄宗時代の宦官の楊思勖の如く、自分の殘忍性を滿足せしむる爲に、罪人の心肝を取り、手足を截り
支那人間に於ける食人肉の風習
(旧字旧仮名)
/
桑原隲蔵
(著)
惡戲
(
いたづら
)
と温順とを浮べたる名状し難き顏色にてこなたを見詰めたり。
胡弓
(旧字旧仮名)
/
ルイ・ベルトラン
(著)
おかん おまへさんが
惡戲
(
いたづら
)
をするから惡いんだよ。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
否
(
いゝえ
)
、まだ
出
(
だ
)
して
上
(
あ
)
げません。……お
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かなくツちや……でないと
袖
(
そで
)
を
啣
(
くは
)
へたり、
乘
(
の
)
つたり、
惡戲
(
いたづら
)
をして
邪魔
(
じやま
)
なんですもの。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
小
(
ちひ
)
さい
内
(
うち
)
から
惡戲
(
いたづら
)
ものでね。あいつが
餓鬼大將
(
がきだいしやう
)
になつて
能
(
よ
)
く
喧譁
(
けんくわ
)
をしに
行
(
い
)
つた
事
(
こと
)
がありますよ」と
坂井
(
さかゐ
)
は
御互
(
おたがひ
)
の
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
迄
(
まで
)
一口
(
ひとくち
)
洩
(
も
)
らした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
不思議
(
ふしぎ
)
にもその
年
(
とし
)
とつた
蛇
(
へび
)
は
動物園
(
どうぶつゑん
)
にでも
居
(
ゐ
)
るやうに
温順
(
おとな
)
しくして
居
(
ゐ
)
てついぞ
惡戲
(
いたづら
)
をしたといふことを
聞
(
き
)
きません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
男の間拔けなのが面白く、ついやつた
惡戲
(
いたづら
)
です。それや暮しに困れば少しはお金も貰ひましたが——
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
恁
(
か
)
ういふ
同志
(
どうし
)
へのこんな
惡戲
(
いたづら
)
は
何處
(
どこ
)
でも
能
(
よ
)
く
反覆
(
くりかへ
)
されるのであつた。さうして
成功
(
せいこう
)
した
惡戲者
(
いたづらもの
)
は
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その山本と咲子は二年の間も醜關係を結んでゐたのだといふことを
菩提寺
(
ぼだいじ
)
の若い和尚から聞かされた。憤りも、恨みも、口惜しさも通り越して圭一郎は運命の
惡戲
(
いたづら
)
に呆れ返つた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
木登りの
惡戲
(
いたづら
)
から脚に大きな
刺
(
とげ
)
などが差さつても親達に見つかる迄はそれを隱して居るといふ方でしたが、私は
他
(
ひと
)
の身體の
疼痛
(
いたみ
)
を想像するにも堪へませんでした。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お
船藏
(
ふなぐら
)
がつい
近
(
ちか
)
くつて、
安宅丸
(
あたかまる
)
の
古跡
(
こせき
)
ですからな。いや、
然
(
さ
)
ういへば、
遠目鏡
(
とほめがね
)
を
持
(
も
)
つた
氣
(
き
)
で……あれ、ご
覽
(
ろう
)
じろ——と、
河童
(
かつぱ
)
の
兒
(
こ
)
が
囘向院
(
ゑかうゐん
)
の
墓原
(
はかばら
)
で
惡戲
(
いたづら
)
をしてゐます。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
虎
(
とら
)
が
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
して
谷
(
たに
)
の
水
(
みづ
)
を
呑
(
の
)
んでゐる
鼻柱
(
はなばしら
)
が
少
(
すこ
)
し
汚
(
けが
)
されたのを、
父
(
ちゝ
)
は
苛
(
ひど
)
く
氣
(
き
)
にして、
宗助
(
そうすけ
)
を
見
(
み
)
る
度
(
たび
)
に、
御前
(
おまへ
)
此所
(
こゝ
)
へ
墨
(
すみ
)
を
塗
(
ぬ
)
つた
事
(
こと
)
を
覺
(
おぼ
)
えてゐるか、
是
(
これ
)
は
御前
(
おまへ
)
の
小
(
ちひ
)
さい
時分
(
じぶん
)
の
惡戲
(
いたづら
)
だぞと
云
(
い
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
股から上の
火傷
(
やけど
)
だ、——
惡戲
(
いたづら
)
者は家の中に居るに違げえねえ、引つ捉へて八つ裂きにしてやる——といふ腹の立てやうだが、見渡したところ、娘も伜も居候も、多勢の奉公人も皆んな良い子ばかり。
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
汝
(
われ
)
でも
惡戲
(
いたづら
)
したんぢやねえか」
勘次
(
かんじ
)
は
遲緩
(
もどか
)
しげに
烈
(
はげ
)
しく
追求
(
つゐきう
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あの
赤
(
あか
)
はだかに
毛
(
け
)
を
拔
(
ぬ
)
かれた
鳥
(
とり
)
がヒヨイ/\
飛
(
と
)
び
歩
(
ある
)
くのを
見
(
み
)
るほど、むごいものは
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
ひました。
父
(
とう
)
さんは
子供心
(
こどもごゝろ
)
にも、そんな
惡戲
(
いたづら
)
をする
村
(
むら
)
の
人達
(
ひとたち
)
を
何程
(
なにほど
)
憎
(
にく
)
んだか
知
(
し
)
れません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
あくる
朝
(
あさ
)
、
命
(
いのち
)
の
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
まうとすると、
釣瓶
(
つるべ
)
に
一杯
(
いつぱい
)
、
汚
(
きたな
)
い
獸
(
けもの
)
の
毛
(
け
)
が
浮
(
う
)
いて
上
(
あが
)
る……
三毛猫
(
みけねこ
)
の
死骸
(
しがい
)
が
投込
(
なげこ
)
んであつた。その
斷
(
ことわ
)
られたものの
口惜
(
くやし
)
まぎれの
惡戲
(
いたづら
)
だらうと
言
(
い
)
ふのである。——
朝
(
あさ
)
の
事
(
こと
)
で。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「お聞きの通りで、——曲者は最初から、家内の眼を潰すつもりで入つたわけではなく、佛像の額の大夜光の珠が取れなかつた口惜し
紛
(
まぎ
)
れに、母屋へ忍び込んでこんな
惡戲
(
いたづら
)
をしたのではあるまいか」
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これはお
客
(
きやく
)
さまの
御馳走
(
ごちそう
)
ですから
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
ひましたが、
近所
(
きんじよ
)
のお
家
(
いへ
)
では、
鬪鷄
(
しやも
)
や
鷄
(
にはとり
)
を
締殺
(
しめころ
)
して
煮
(
に
)
て
食
(
く
)
ふといふことをよくやりました。
村
(
むら
)
には
隨分
(
ずゐぶん
)
惡戲
(
いたづら
)
の
好
(
す
)
きな
人達
(
ひとたち
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「それは
惡戲
(
いたづら
)
ですよ、親分」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
惡戲
(
いたづら
)
好きな學校の朋輩は、その娘の名と私の名とを並べて書いて見たり、課業を終つて思ひ/\に歸つて行く頃には、杉の樹のあるお寺の坂の上あたりから、大きな聲で呼ばつたりしたものです。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
惡
部首:⼼
12画
戲
部首:⼽
17画
“惡戲”で始まる語句
惡戲者
惡戲好
惡戲書