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贅
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むだ
「ざまあ見やがれ、
俺が寄席へ
行くのを
愚図々々吐しやがって、鉄さんだってお所帯持だ、心なくッて
欠厘でも
贅な銭を使うものかい、地震除だあ、おたふくめ、」
立去り我が家へ歸り
神へ
祈りしことも
贅とも成しとて夫より
只管菩提を
吊らはんと思ひ
樒を供へ香を
燒て只々一途に後生を願うて
居所に其夜
丑刻頃と思ふ折しも表の戸を
僕は
贅だからぼつ/\下駄を
穿いて歩いて往く方が便利だ
極めてお光に向ひ夫は
道理なる次第なれども一
朝一
夕の事ならず假令
證據人の有ればとて
周章て
願ふ事
柄ならず殊に北の御番所にて
先年裁許濟に成し事故今更兎や角申立るとも
入費倒れにて
贅事に成も知れず云ば證文の出し
後れなり夫より
最早夫道十郎殿の事は前世よりの
因縁と
斷念られ
紀念の道之助殿の成長を