水泡むだ)” の例文
とは思へど惡事千里といへば折角の辛棒を水泡むだにして、お暇ともならば彌々いよ/\病人の伯父に心配をかけ、痩世帶に一日の厄介も氣の毒なり、其内にはと手紙ばかりを遣りて
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見舞みまいにとことらねばこゝろならねど、お使つかさきの一すんとても時計とけい目當めあてにして幾足いくあし幾町いくてうそのしらべのるしさ、けても、とはおもへど惡事あくじといへば折角せつかく辛棒しんぼう水泡むだにして
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見舞にと言ふ事も成らねば心ならねど、お使ひ先の一すんの間とても時計を目当にして幾足幾町とそのしらべの苦るしさ、せ抜けても、とは思へど悪事千里といへば折角の辛棒を水泡むだにして
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)