徒為とい)” の例文
近頃井上通泰、熊沢蕃山くまざわばんざんの伝を校正上本せしを見るに、蕃山の詞に、敬義を以てする時は髪をくしけずり手を洗ふも善を為すなり。然らざる時は九たび諸侯を合すとも徒為といのみと有之候。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
一、壮大を好む者総ての物に大の字を附して無理に壮大ならしめんとするは往々徒為といに属す。その物已に小ならば大の字を附して大ならしむべし。大牡丹、大幟おおのぼり、大船、大家等の如し。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)