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徒
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かち
ふりがな文庫
“
徒
(
かち
)” の例文
徒
(
かち
)
なるも車なるも燭を
把
(
と
)
りたるに、窓のうちに坐したる人さへ火持たぬはあらねば、この美しき夜は地にも星ある如くなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
今度は
徒
(
かち
)
あるきであるから
捗
(
はか
)
どらず、元の宿まで帰り着いた頃には夜が明けて、かの老人は店さきで桶の
箍
(
たが
)
をはめていた。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
徒
(
かち
)
小姓横目の木村長左衛門、検地衆の大内文右衛門の三人であり、ほかに絵図方、筆取などと、これらの供が十余人いた。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
津山の城主松平越後守
斉孝
(
なりたか
)
の次女
徒
(
かち
)
の
方
(
かた
)
の
許
(
もと
)
へ壻入したのは、家斉の三十四人目の子で、十四男
参河守
(
みかわのかみ
)
斉民
(
なりたみ
)
である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
里見※右衞門橋本九兵衞目付朝比奈七之助
徒
(
かち
)
目付岩本大藏勘定奉行兼郡奉行松本理左衞門代官黒崎又左衞門市田武助町奉行
緒方
(
をがた
)
求馬
(
もとめ
)
等出席ありて
足輕
(
あしがる
)
共は白洲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
われ喉を刺されし後、
徒
(
かち
)
にて逃げつゝ野を血に染めて、かの流れの名消ゆる處に着けり 九七—九九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「なあに、手間が取れたら、
徒
(
かち
)
でやっつけるんですな、雲助が追っかけたら逃げる分のことで」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
夜店商人は夕方の三時頃からぼつぼつ検査場横の空地に集まってきた。荷車を引いてくる者、自転車を利用している者、大風呂敷を背負って
徒
(
かち
)
でくる者、さまざまであった。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
この橋高さ一丈余、下は岩石多く
聳
(
そび
)
えて流水深く、
徒
(
かち
)
で渡るも
眩
(
めま
)
うべし。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
踏みしめ、飛びこえ、
徒
(
かち
)
わたり
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
往きの片道を
徒
(
かち
)
で歩いて、戻りを駕籠に乗るという世間なみの道中であるらしく、主人の女はもうかなりに疲れたらしい草履の足をひき摺っていた。
鷲
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こゝよりアリチアを越す美しき道の程をば
徒
(
かち
)
にてぞゆく。
木犀草
(
もくせいさう
)
(レセダ)又はにほひあらせいとう(ヘイランツス)の花など道の傍に野生したり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
組士は下士で、
徒
(
かち
)
、小姓組、徒組、鷹匠組、
給主
(
きゅうしゅ
)
組などがこれに属している。あとでわかったのだが、市之丞は丹三郎の母たつ女の
甥
(
おい
)
に当っていた。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
加番は各
物頭
(
ものがしら
)
五人、
徒目付
(
かちめつけ
)
六人、
平士
(
ひらざむらひ
)
九人、
徒
(
かち
)
六人、
小頭
(
こがしら
)
七人、
足軽
(
あしがる
)
二百二十四人を
率
(
ひき
)
ゐて入城する。其内に
小筒
(
こづゝ
)
六十
挺
(
ちやう
)
弓二十
張
(
はり
)
がある。又
棒突足軽
(
ぼうつきあしがる
)
が三十五人ゐる。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
徒
(
かち
)
の四人が先になるのはぜひもないことです。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
脚絆
(
きゃはん
)
をはいて、草履を
穿
(
は
)
いて、こんにちでいう遠足のこしらえで、三人は早朝から山の手へのぼって、新宿、淀橋、中野と道順をおって
徒
(
かち
)
あるきです。
半七捕物帳:68 二人女房
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
矢崎舎人は、上田の妻子を送ることを命ぜられ、
徒
(
かち
)
の者二名、足軽三名と共に、陸前のくに栗原郡の岩ヶ崎にある、古内家の
館
(
たて
)
に向かって江戸を立った。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
人叫び、人笑ひ、人歌ひ、
徒
(
かち
)
にて走るものあり、大小くさ/″\の車を驅るものあり。その騷しさ言はん方なし。
熔巖
(
ラワ
)
の流は今しも山麓なる二三の村落を襲へるなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それに本多家、遠藤家、平岡家、鵜殿家の
出役
(
しゅつやく
)
があって、先ず三人の
人体
(
にんてい
)
、衣類、持物、
手創
(
てきず
)
の
有無
(
ゆうむ
)
を取り調べた。創は誰も負っていない。次に永井、久保田両
徒
(
かち
)
目附に当てた口書を取った。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
次に、安芸は
熨斗目麻裃
(
のしめあさがみしも
)
を着け、出陣の熨斗を取って祝ったあと、玄関の式台前でまた酒肴を出し、留守の者から供をする小姓、
徒
(
かち
)
の者たちにまで盃を与えた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
眇目の男は無言で向こうを指さすと、武者はうなずいて馬に
一鞭
(
ひとむち
)
あてた。つづいて十騎二十騎、あとには
徒
(
かち
)
の者も七八十人付き添って、あき草の中を泳いで通った。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それは四月のことであるが、その後、伊東の家従である高野兵右衛門、斎藤徳右衛門らが、
徒
(
かち
)
目付の横山勘右衛門を通じて「伊東家再興」の嘆願をつづけていた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「向うは
徒
(
かち
)
だ、恐らく温海の宿に泊っているだろう、これから馬で飛ばせば、朝までには追い付ける」
柿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
敵の前線を馬で突破し、一挙に内陣を
攪乱
(
かくらん
)
する奇襲隊の役である、したがって家中では槍術が
旺
(
さか
)
んにおこなわれた、それも騎乗と
徒
(
かち
)
とを兼ねる秋田家独特の技法があり
足軽奉公
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“徒”の意味
《名詞》
(かち)徒歩。
(かち)江戸時代、騎乗を許されなかった下級の武士。
(ただ)普通。凡庸。ありきたり。
(ただ)何事も無いこと。
(むだ)役に立たない、効果の無い又は不要に贅沢なもの。
(ト)仲間。同類の人。
(ズ)五刑の一つ。懲役刑。一年から三年まで半年毎に五段階設けられた。
(出典:Wiktionary)
徒
常用漢字
小4
部首:⼻
10画
“徒”を含む語句
徒歩
徒然
徒事
基督教徒
聖徒
徒爾
徒輩
徒労
清教徒
悪徒
徒為
徒士
徒渉
博徒
徒弟
徒跣
徒党
兇徒
耶蘇教徒
徒手
...