“聖徒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せいと33.3%
セイント22.2%
せいんと11.1%
クリスチャン11.1%
セエント11.1%
セーント11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の死ぬときが來たら、いかにも聖徒せいとらしく落着き拂つて私を神さまへおまかせして了ふだらう。問題は私にとつて實に明瞭だ。
彼は又ゆめに得た心臓の鼓動を、めたあとつたへる事が屡あつた。そんな場合には聖徒セイントの如く、むねに手をてゝ、けたまゝ、じつと天井を見詰めてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今の世にこんな事のできるものがいるかどうだかはなはだ疑わしい。おそらく古代の聖徒せいんとの仕事だろう。三重吉はうそいたに違ない。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして彼女は、たった一人の息子むすことも離れて、全く孤独の芸術郷に暮している。彼女は信仰のかたい聖徒クリスチャンであるという。
豊竹呂昇 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
さうしてそれを耳にすると共に、彼はあたかも天使の楽声がくせいを聞いた聖徒セエントのやうに昏々こんこんとして意識を失つてしまつたのである。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なまじい昔の高僧だとか聖徒セーントだとかのでんを読んだ彼には、ややともすると精神と肉体とを切り離したがる癖がありました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)