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徒
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と
ふりがな文庫
“
徒
(
と
)” の例文
猟奇の
徒
(
と
)
よ、
卿等
(
けいら
)
は余りに猟奇者であり過ぎてはならない。この物語こそよき
戒
(
いましめ
)
である。猟奇の
果
(
はて
)
が
如何
(
いか
)
ばかり恐ろしきものであるか。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「へい、申しわけございません。といったって、こち
徒
(
と
)
も、足を棒にして、そこらじゅうを、クルクル
嗅
(
か
)
ぎ歩いちゃいるんですが」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同じ逆境にしても、
慷慨
(
こうがい
)
の士には激しい痛烈な苦しみが、軟弱の
徒
(
と
)
には緩慢なじめじめした醜い苦しみが、というふうにである。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
この二人は浅草公園を
徘徊
(
はいかい
)
する不良の
徒
(
と
)
で、岩本は千束町に住んで活動写真の広告のビラを
貼
(
は
)
るのが商売、山西は
馬道
(
うまみち
)
の
床屋
(
とこや
)
の
伜
(
せがれ
)
であった。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
まして無神無仏の
徒
(
と
)
は既に神を
無
(
な
)
みし仏を無みするだけの偉いものであるから、夢にも恐怖心などに囚はれてはならぬ。云々。
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
罰
(
ばつ
)
する時は
士
(
し
)
以て
徒
(
と
)
たるべし一夫
憤
(
いきどほ
)
りを
含
(
ふく
)
めば三年雨降ずと云
先哲
(
せんてつ
)
の語あり百姓は國の寶人の命は千萬金にも
換難
(
かへがた
)
し然るを
正直
(
しやうぢき
)
篤實
(
とくじつ
)
なる九助を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と云つても僕を江戸趣味の
徒
(
と
)
と
速断
(
そくだん
)
してはいけません、僕は知りもせぬ江戸の昔に
依依恋恋
(
いいれんれん
)
とする為には余りに散文的に出来てゐるのですから。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それまで熊本には罪人を取扱ふのに、死刑と追放と、この二つしか無かつたのを、勝名の考へで
笞
(
ち
)
刑と
徒
(
と
)
刑とがその
外
(
ほか
)
に設けられる事になつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
後単行出版に際し都合により、
徒
(
と
)
を添えたるもの。
或
(
あるい
)
はおなじ単行本御所有の方々の、ここにお心つかいもあらんかとて。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
已
(
すで
)
にして
大夫
(
たいふ
)
鮑氏
(
はうし
)
・
高
(
かう
)
・
國
(
こく
)
の
屬
(
ぞく
)
、
之
(
これ
)
を
害
(
い
)
み、
景公
(
けいこう
)
に
譖
(
しん
)
す。
景公
(
けいこう
)
、
穰苴
(
じやうしよ
)
を
退
(
しりぞ
)
く。
苴
(
しよ
)
、
疾
(
やまひ
)
を
發
(
はつ
)
して
死
(
し
)
す。
田乞
(
でんきつ
)
・
田豹
(
でんへう
)
の
徒
(
と
)
、
此
(
これ
)
に
由
(
よ
)
つて
高
(
かう
)
・
國
(
こく
)
等
(
ら
)
を
怨
(
うら
)
む。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
汚
(
けが
)
れたる油に廻転する社会は
堕落
(
だらく
)
する。かの紳士、通人、芸妓の
徒
(
と
)
は、汚れたる油の上を
滑
(
すべ
)
って墓に入るものである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
暴虎馮河
(
ぼうこひょうが
)
の
徒
(
と
)
には
孔子
(
こうし
)
は
与
(
くみ
)
せずといったが、世俗はいまだ彼らに
敬服
(
けいふく
)
する。
昔時
(
せきじ
)
、ローマ時代には徳という字と勇気という字とは二つ別々に存在しなかった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
東京のさる專門學校の生
徒
(
と
)
である草野金太郎は、春
休
(
やす
)
みで故
郷
(
けう
)
の町に
歸
(
き
)
省してゐたが、春
休
(
やす
)
みも終つたので、あと二時間もするとまた一人で東京にたつのである。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
駄賃
(
だちん
)
の
徒
(
と
)
はこの翁を
父親
(
ちちおや
)
のように思いて、
親
(
した
)
しみたり。少しく収入の
余
(
あまり
)
あれば、町に
下
(
くだ
)
りきて酒を飲む。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
茶山の此書を読んで、わたくしは頼
竹里
(
ちくり
)
が此年文化十二年に江戸より広島へ帰り、僦居して
徒
(
と
)
に授けたことを知る。
頃日
(
このごろ
)
わたくしに無名の葉書を投じた人がある。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼らにとって
快
(
こころよ
)
く思われたかは、主家の
兇変
(
きょうへん
)
の前に、すでに浪人していた
不破数右衛門
(
ふわかずえもん
)
、
千葉
(
ちば
)
三郎兵衛、
間新六
(
はざましんろく
)
の
徒
(
と
)
が、同じように連盟に加わってきたのでも分る。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
女の容色の事も、外に真似手のない程
精
(
くわ
)
しく心得ている。ポルジイが一度好いと云った女の周囲には、
耳食
(
じしょく
)
の
徒
(
と
)
が集まって来て、その女は
大幣
(
おおぬさ
)
の
引手
(
ひくて
)
あまたになる。
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
即ち米国辺の鉱山では年々無数の人が死傷し、義手義足の
徒
(
と
)
は、米国に於て最も多く見受ける。従って義手義足の製作術に至っては、米国はその精巧世界に冠たり。
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
〔評〕十年の
役
(
えき
)
、私學校の
徒
(
と
)
、
彈藥製造所
(
だんやくせいざうじよ
)
を
掠
(
かす
)
む。南洲時に兎を
大隈
(
おほすみ
)
山中に
逐
(
お
)
ふ。之を聞いて
猝
(
にはか
)
に
色
(
いろ
)
を
變
(
か
)
へて曰ふ、
誤
(
しま
)
つたと。
爾後
(
じご
)
肥後日向に轉戰して、神色
夷然
(
いぜん
)
たり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
つまりこの一隊の
異形
(
いぎょう
)
の
徒
(
と
)
は、左膳の乾雲、栄三郎の坤竜にとって、ともに同じ
脅威
(
きょうい
)
であった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
其角
(
きかく
)
、
嵐雪
(
らんせつ
)
もその人にあらざりき。『
五色墨
(
ごしきずみ
)
』の
徒
(
と
)
固よりこれを知らず。『
新虚栗
(
しんみなしぐり
)
』の時何者をか
攫
(
つか
)
まんとして得る所あらず。芭蕉死後百年に
垂
(
なんな
)
んとして始めて蕪村は現れたり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
拝啓久しく御無沙汰に打過ぎ
候段
(
そうろうだん
)
平
(
ひら
)
に
御宥免被下度
(
ごゆうめんくだされたく
)
候しかし毎度新聞雑誌にて面白き
御作
(
おさく
)
拝見
仕
(
つかまつ
)
りわれら芸術主義の
徒
(
と
)
のためかつは徳川の懐かしき趣味のため御奮闘ありがたく
奉感謝
(
かんしゃたてまつり
)
候
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
町
(
まち
)
の
人々
(
ひと/″\
)
の
事
(
こと
)
は
彼
(
かれ
)
は
毎
(
いつ
)
も
輕蔑
(
けいべつ
)
して、
無教育
(
むけういく
)
の
徒
(
と
)
、
禽獸的生活
(
きんじうてきせいくわつ
)
と
罵
(
のゝし
)
つて、テノルの
高聲
(
たかごゑ
)
で
燥立
(
いらだ
)
つてゐる。
彼
(
かれ
)
が
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
ふのは
憤懣
(
ふんまん
)
の
色
(
いろ
)
を
以
(
もつ
)
てせざれば、
欣喜
(
きんき
)
の
色
(
いろ
)
を
以
(
もつ
)
て、
何事
(
なにごと
)
も
熱心
(
ねつしん
)
に
言
(
い
)
ふのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
然
(
しか
)
るに勝氏は一身の
働
(
はたらき
)
を以て
強
(
し
)
いて幕府を
解散
(
かいさん
)
し、薩長の
徒
(
と
)
に天下を
引渡
(
ひきわた
)
したるはいかなる
考
(
かんがえ
)
より出でたるか、今日に至りこれを
弁護
(
べんご
)
するものは、勝氏は当時
外国干渉
(
がいこくかんしょう
)
すなわち国家の
危機
(
きき
)
に際して
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
而も世を棄て名を棄て、更に三界に流浪せしめしは誰ぞ。我もとより貧しけれど天命を知る。我が性玉の如し。我はこれ畢竟
詩歌
(
しいか
)
三
昧
(
まい
)
の
徒
(
と
)
、清貧もとより
足
(
た
)
る。我は
醒
(
さ
)
め、妻は
未
(
いま
)
だ痴情の恋に狂ふ。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
コスモポリタンの
徒
(
と
)
と呼んで見るも
可
(
いゝ
)
。ハヽヽヽ。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
尊氏はその夜、ひとまず二条千手堂の吉良邸を陣営とし、そして、諸所の山野に分散して旗色を見ているらしい一族家臣の
徒
(
と
)
へ
教書
(
きょうしょ
)
を
触
(
ふ
)
れまわした。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
堅彊
(
けんきょう
)
は死の
徒
(
と
)
、
柔弱
(
にゅうじゃく
)
は生の徒なれば、「学ぼう。学ぼう」というコチコチの態度を忌まれたもののようである。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
人一倍好奇心が強くて、冒険好きで、
所謂
(
いわゆる
)
猟奇の
徒
(
と
)
であったことが、彼の長所でもあり弱点でもあった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
さらに
溯
(
さかのぼ
)
っては能の狂言の何山伏の数篇を見て、
辛
(
かろ
)
うじてこの
徒
(
と
)
の社会上の地位を察するのみである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
日本の文芸家が
作家
(
オーソース
)
倶楽部
(
クラブ
)
というほどの単純な組織すらも構成し得ない
卑力
(
ひりょく
)
な
徒
(
と
)
である事を思えば、政府の計画した文芸院の
優
(
ゆう
)
に成立するのも無理はないかも知れぬ。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
且
(
か
)
つ
(四四)
七十
子
(
し
)
の
徒
(
と
)
、
(四五)
仲尼
(
ちうぢ
)
獨
(
ひと
)
り
顏淵
(
がんえん
)
を
(四六)
薦
(
すす
)
め、
學
(
がく
)
を
好
(
この
)
むと
爲
(
な
)
す。
然
(
しか
)
れども
(四七)
回
(
くわい
)
や
屡〻
(
しばしば
)
空
(
むな
)
しく、
糟糠
(
さうかう
)
にだも
厭
(
あ
)
かず、
而
(
しかう
)
して
卒
(
つひ
)
に
(四八)
蚤夭
(
さうえう
)
せり。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
豊洲は中年にして与力の職を弟
直道
(
なほみち
)
に譲り、
帷
(
ゐ
)
を
下
(
くだ
)
し
徒
(
と
)
に授けたと云ふ。墓誌に徴するに、与力を勤むることゝなつてから本郷に住んだ。致仕の後には「下帷郷南授徒」と書してある。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そして金太郎は、更めて自分が專門學校生
徒
(
と
)
である
誇
(
ほこ
)
りにうつとりする。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
男女
烏合
(
うごう
)
の
徒
(
と
)
を集めて芝居をしてさえもし芸術のためというような名前を付けさえすればそれ相応に
看客
(
かんきゃく
)
が来る。田舎の中学生の虚栄心を
誘出
(
さそいだ
)
して投書を
募
(
つの
)
れば文学雑誌の経営もまた容易である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
町
(
まち
)
の
人々
(
ひとびと
)
のことは
彼
(
かれ
)
はいつも
軽蔑
(
けいべつ
)
して、
無教育
(
むきょういく
)
の
徒
(
と
)
、
禽獣的生活
(
きんじゅうてきせいかつ
)
と
罵
(
ののし
)
って、テノルの
高声
(
たかごえ
)
で
燥立
(
いらだ
)
っている。
彼
(
かれ
)
が
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
うのは
憤懣
(
ふんまん
)
の
色
(
いろ
)
を
以
(
もっ
)
てせざれば、
欣喜
(
きんき
)
の
色
(
いろ
)
を
以
(
もっ
)
て、
何事
(
なにごと
)
も
熱心
(
ねっしん
)
に
言
(
い
)
うのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
洋学の
東漸
(
とうぜん
)
ここに
定
(
さだ
)
まりて
青年
(
せいねん
)
の
徒
(
と
)
はなべて
競
(
きほ
)
ひき
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「そ、そんなことで、寝首をかかれる大将でもねえでしょう。それに、こち
徒
(
と
)
のような人間に、油断するはずもねえ」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
起
(
き
)
を
撃
(
う
)
つの
徒
(
と
)
、
呉起
(
ごき
)
を
射刺
(
せきし
)
するに
因
(
よ
)
つて、
并
(
あは
)
せて
悼王
(
たうわう
)
に
中
(
あ
)
つ。
悼王
(
たうわう
)
既
(
すで
)
に
葬
(
はうむ
)
られて、
太子
(
たいし
)
立
(
た
)
つ。
乃
(
すなは
)
ち
(一一〇)
令尹
(
れいゐん
)
をして
盡
(
ことごと
)
く
呉起
(
ごき
)
を
射
(
い
)
て
并
(
あは
)
せて
王
(
わう
)
の
尸
(
し
)
に
中
(
あ
)
てし
者
(
もの
)
を
誅
(
ちう
)
せしむ。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
近頃の記録に出ているのは、すべて
願人坊主
(
がんにんぼうず
)
に近い
門付
(
かどづ
)
け
物貰
(
ものもら
)
いの
徒
(
と
)
であったが、それでもまだ彼らの唱えあるいた歌詞などの中には、比較に値する僅かずつの特徴が伝わっている。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
森本のような浮浪の
徒
(
と
)
といっしょに見られちゃ、少し体面にかかわる。いわんや
後暗
(
うしろぐら
)
い関係でもあるように邪推して、いくら知らないと云っても
執濃
(
しつこ
)
く疑っているのは
怪
(
け
)
しからんじゃないか。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
張目飛耳
(
ちょうもくひじ
)
の
徒
(
と
)
多き今の文界なれば万事決定まで何分内密に願上候
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「二夫人の従者から将軍が今日にいたるまでのご忠節をつぶさに聞いて、まったく心服したためであります。
緑林
(
りょくりん
)
の
徒
(
と
)
とても、心まで獣心ではありません」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
芭蕉
示寂
(
じじゃく
)
して数十年の後に、有名なる『七部集』というものが
結集
(
けつじゅう
)
せられ、
末法
(
まっぽう
)
の
徒
(
と
)
の有難い経典となったが、この『七部集』には異本が多く、テキストのまだ確定しておらぬは
勿論
(
もちろん
)
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
春秋
(
しゅんじゅう
)
に指を折り尽して、
白頭
(
はくとう
)
に
呻吟
(
しんぎん
)
するの
徒
(
と
)
といえども、一生を回顧して、閲歴の波動を順次に点検し来るとき、かつては微光の
臭骸
(
しゅうがい
)
に
洩
(
も
)
れて、
吾
(
われ
)
を忘れし、
拍手
(
はくしゅ
)
の
興
(
きょう
)
を
喚
(
よ
)
び起す事が出来よう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
其著書
(
そのちよしよ
)
十
餘萬言
(
よまんげん
)
、
大抵
(
たいてい
)
率
(
おほむ
)
ね
(二一)
寓言
(
ぐうげん
)
也
(
なり
)
。
(二二)
漁父
(
ぎよふ
)
・
盜跖
(
たうせき
)
・
胠篋
(
きよけふ
)
を
作
(
つく
)
り、
以
(
もつ
)
て
孔子
(
こうし
)
の
徒
(
と
)
を
詆訿
(
ていし
)
し、
以
(
もつ
)
て
老子
(
らうし
)
の
(二三)
術
(
じゆつ
)
を
明
(
あきらか
)
にせり。
(二四)
畏累虚
(
わいるゐきよ
)
・
亢桑子
(
かうさうし
)
の
屬
(
たぐひ
)
、
皆
(
みな
)
空語
(
くうご
)
にして
事實
(
じじつ
)
無
(
な
)
し。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
私たちはひとえに芸の道を以て諸民に仕え、諸民と苦楽を共にしているだけのもの、弓矢の
徒
(
と
)
ではなし、南朝北朝の争いなども知るところではありません。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ですがさ、そんな風にこち
徒
(
と
)
には受けとれまさあね。また血の気の多いまっ正直な衆は、どう取ったかしれますまい。先生にだって責任はありましょうぜ」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに少弐
頼尚
(
よりひさ
)
、大友具簡、島津道鑑、大隅忠能、そのほか河田、渋谷の
徒
(
と
)
、つまり九州足利方のあらましが加わったとみても、たかだか千か千二、三百人。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何だか知らねえが、こち
徒
(
と
)
は元々裸の
流人
(
るにん
)
だ。万一管営の落度ッてなことにでもなるといけませんから、ちょっくら顔出しのつもりで行って来ましょうや」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“徒”の意味
《名詞》
(かち)徒歩。
(かち)江戸時代、騎乗を許されなかった下級の武士。
(ただ)普通。凡庸。ありきたり。
(ただ)何事も無いこと。
(むだ)役に立たない、効果の無い又は不要に贅沢なもの。
(ト)仲間。同類の人。
(ズ)五刑の一つ。懲役刑。一年から三年まで半年毎に五段階設けられた。
(出典:Wiktionary)
徒
常用漢字
小4
部首:⼻
10画
“徒”を含む語句
徒歩
徒然
徒事
基督教徒
聖徒
徒爾
徒輩
徒労
清教徒
悪徒
徒為
徒士
徒渉
博徒
徒弟
徒跣
徒党
兇徒
耶蘇教徒
徒手
...