“執濃”の読み方と例文
読み方割合
しつこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或時はこんな光景がほとんど毎日のように三人の間に起った。或時は単にこれだけの問答では済まなかった。ことに御常は執濃しつこかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
最前と同じ執濃しつこい大年増の匂ひが、鼻をもぎ取るほどに、ぷんとした。この家内はよく間男といふ惡い事をするといふことが、幼い自分の耳にも入つてゐた。
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さう致すと、案の定可厭いやらしい事をもうもう執濃しつこく有仰るのでございます。さうして飽くまで貴方の事をうたぐつて、始終それを有仰るので、私一番それには困りました。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)