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執濃
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しつこ
ふりがな文庫
“
執濃
(
しつこ
)” の例文
或時はこんな光景が
殆
(
ほと
)
んど毎日のように三人の間に起った。或時は単にこれだけの問答では済まなかった。ことに御常は
執濃
(
しつこ
)
かった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
最前と同じ
執濃
(
しつこ
)
い大年増の匂ひが、鼻をもぎ取るほどに、ぷんとした。この家内はよく間男といふ惡い事をするといふことが、幼い自分の耳にも入つてゐた。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
さう致すと、案の定
可厭
(
いやらし
)
い事をもうもう
執濃
(
しつこ
)
く有仰るのでございます。さうして飽くまで貴方の事を
疑
(
うたぐ
)
つて、始終それを有仰るので、私一番それには困りました。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
けれども
執濃
(
しつこ
)
いこの男の方ではけっしてそのままに済ます気はなかったものと見えて、むやみに催促を始め出した。その催促は一週に一遍か、二週に一遍の割できっと来た。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それだのに叔父はなぜ三好に対する自分の評を、こんなに
執濃
(
しつこ
)
く聴こうとするのだろう」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
森本のような浮浪の
徒
(
と
)
といっしょに見られちゃ、少し体面にかかわる。いわんや
後暗
(
うしろぐら
)
い関係でもあるように邪推して、いくら知らないと云っても
執濃
(
しつこ
)
く疑っているのは
怪
(
け
)
しからんじゃないか。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
執
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
濃
常用漢字
中学
部首:⽔
16画
“執”で始まる語句
執
執拗
執念
執着
執心
執成
執行
執念深
執事
執権