“一味”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちみ84.6%
ひとあじ15.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
口では勝彦を咎めるやうなことを云ひながら、心の中では此の勇敢な救ひ主に、一味いちみ温かい感謝の心を持たずにはゐられなかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
さうしてそれと同時に霜げた赤鼻と数へる程の口髭とが何となく一味いちみの慰安を自分の心に伝へてくれるやうに思はれた。……
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そんな折の氏の家庭こそ平常とは打ってかわって実に陽気で愉快ゆかいです。その間などにあって、氏に一味ひとあじの「如才じょさいなさ」がいます。
けだしこの一味ひとあじ、つまりは聖人の本意にも非ず、また後世の儒者にても、その本意にそむくを知りてこれを弁ずる者ありといえども、いかんせん、世人の精神に感ずるところは
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)