一味ひとあじ)” の例文
そんな折の氏の家庭こそ平常とは打ってかわって実に陽気で愉快ゆかいです。その間などにあって、氏に一味ひとあじの「如才じょさいなさ」がいます。
けだしこの一味ひとあじ、つまりは聖人の本意にも非ず、また後世の儒者にても、その本意にそむくを知りてこれを弁ずる者ありといえども、いかんせん、世人の精神に感ずるところは
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
就中なかんずく、その欠点の著しきものは、孝悌忠信、道徳の一品をもって人生を支配せんとするの気風、これなり。とりも直さず、塩の一味ひとあじをもって人の食物に供せんとするにことならず。塩は食物に大切なり。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)