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一味
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いちみ
ふりがな文庫
“
一味
(
いちみ
)” の例文
口では勝彦を咎めるやうなことを云ひながら、心の中では此の勇敢な救ひ主に、
一味
(
いちみ
)
温かい感謝の心を持たずにはゐられなかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
さうしてそれと同時に霜げた赤鼻と数へる程の口髭とが何となく
一味
(
いちみ
)
の慰安を自分の心に伝へてくれるやうに思はれた。……
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其方儀
(
そのはうぎ
)
天一坊へ
一味
(
いちみ
)
致し
謀計
(
ぼうけい
)
虚言
(
きよげん
)
を以て百姓町人を
欺
(
あざむ
)
き金銀を掠取り衣食住に
侈奢
(
おごり
)
身の程をも
辨
(
わきま
)
へず上を
蔑
(
ないが
)
しろに致たる段重々不屆に付死罪申付る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
町まで使いにいって、ちょうど山塞の近くへもどってきた
一味
(
いちみ
)
の一人が、ふと目をあげたとき、妙なものを見つけた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ほとんど無数の民衆が夏の一日の汗を
行水
(
ぎょうずい
)
に洗い流した後、ゆう飯の
膳
(
ぜん
)
の上にならべられた冷奴の白い肌に
一味
(
いちみ
)
の清涼を感じたであろうことを思う時
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
大チャンはちょうどその二三日前から、巨匠の演出する山賊の
一味
(
いちみ
)
になり、帰宅はいつも十二時をまわっていた。
軍国歌謡集
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
いづれも
唯
(
ただ
)
美し
艶
(
なまめか
)
しといはんよりはあたかも
入相
(
いりあい
)
の鐘に
賤心
(
しずこころ
)
なく散る花を見る如き
一味
(
いちみ
)
の淡き哀愁を感ずべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
軽慓
(
けいひょう
)
、
狠険
(
こんけん
)
、
篤信
(
とくしん
)
の
小吏
(
しょうり
)
大塩平八が、天保八年の饑饉に乗じ、名を
湯武
(
とうぶ
)
の
放伐
(
ほうばつ
)
に
籍
(
か
)
り、その
一味
(
いちみ
)
を
率
(
ひき
)
い、火を放ちて大坂城を乗り取らんとしたるが如きは
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
一味
(
いちみ
)
の海のひたりも
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
和楽
(
わらく
)
する
一味
(
いちみ
)
の人。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
口では勝彦を
咎
(
とが
)
めるようなことを云いながら、心の中では
此
(
こ
)
の勇敢な救い主に、
一味
(
いちみ
)
温かい感謝の心を持たずにはいられなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そうして、きょう一日の活動に取りかかろうとする時、かの朝顔売りや草花売りが早くも車いっぱいの花を運んで来る。花も葉もまだ朝の露が乾かない。それを見て
一味
(
いちみ
)
の涼を感じないであろうか。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“一味”で始まる語句
一味噌
一味之水
一味合体
一味同類
一味放縦