“徒(てあひ)” の例文
「十三囘忌(くわいき)、はあ、大分(だいぶ)久(ひさ)しいあとの佛樣(ほとけさま)を、あの徒(てあひ)には猶更(なほさら)奇特(きとく)な事(こと)でござります。」と手拭(てぬぐひ)を掴(つか)んだ手(て)を、胸(むね)に置(お)いて傾(かたむ)いて
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
いえ、彼處(あすこ)に供待(ともま)ちをしました、あの徒(てあひ)は皆(みんな)遊廓(くるわ)のでござりますで、看板(かんばん)がどれも新地組合(しんちくみあひ)、印(しるし)が麗々(れい/\)と書(か)いてござります。※(ねえ)さんたちが心着(こゝろづ)けたでござりませう。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
樣子(やうす)が何(ど)うも、ふびんや、餘(あま)り小遣(こづかひ)がなかつたらしい。尤(もつと)も地(ぢ)もの張(はり)と俗(ぞく)に號(がう)する徒(てあひ)は、懷中(くわいちう)の如何(いかん)に係(かゝ)はらず、恁(か)うしたさもしい料簡(れうけん)と、昔(むかし)から相場(さうば)づけに極(き)めてある。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
美(うつくし)い婦(をんな)の木像(もくざう)さ又(また)遣直(やりなほ)すだね。えゝ、お前様(めえさま)、対手(あひて)が七六(しちむづ)ヶしいだけに張合(はりえゝ)がある……案山子(かゝし)ぢや成(な)んねえ。素袍(すはう)でも着(き)た徒(てあひ)が玉(たま)の輿(こし)持(も)つて、へい、お迎(むかへ)、と下座(げざ)するのを作(つく)らつせえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)