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哭
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こく
ふりがな文庫
“
哭
(
こく
)” の例文
孝孺
大
(
おおい
)
に数字を批して、筆を地に
擲
(
なげう
)
って、又
大哭
(
たいこく
)
し、
且
(
かつ
)
罵
(
ののし
)
り且
哭
(
こく
)
して曰く、死せんには
即
(
すなわ
)
ち死せんのみ、
詔
(
しょう
)
は断じて草す可からずと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
其父
(
そのちち
)
、
戰
(
たたか
)
ひて
(七三)
踵
(
くびす
)
を
旋
(
めぐら
)
さずして、
遂
(
つひ
)
に
敵
(
てき
)
に
死
(
し
)
せり。
呉公
(
ごこう
)
、
今
(
いま
)
又
(
また
)
其子
(
そのこ
)
を
吮
(
す
)
ふ。
妾
(
せふ
)
、
(七四)
其死所
(
そのししよ
)
を
知
(
し
)
らず。
是
(
ここ
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
を
哭
(
こく
)
するなり
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
東海に
郭純
(
かくじゅん
)
という孝子があった。母を
喪
(
うしな
)
って彼は大いに
哭
(
こく
)
した。その哭するごとに、鳥の群れがたくさん集まって来るのである。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
思い出したように肩をふるわせている若い女を見て、彼ははじめて、沈うつな——
哭
(
こく
)
するような顔で別れた玉目三郎を
憶
(
おも
)
いだしたのである。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
車
轔々
(
りんりん
)
馬
蕭々
(
しょうしょう
)
。
行人
(
こうじん
)
の
弓箭
(
きゅうせん
)
各腰にあり。
爺嬢
(
やじょう
)
妻子走って相送り、
塵埃
(
じんあい
)
見えず
咸陽橋
(
かんようきょう
)
。衣を
牽
(
ひ
)
き足を
頓
(
す
)
り道を
攔
(
さえぎ
)
り
哭
(
こく
)
す。哭声ただちに上って
雲霄
(
うんしょう
)
を
干
(
おか
)
す。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
天に
哭
(
こく
)
し、地に訴えたいのか。子の清盛も、聞き飽いているが、要約すれば、およそ次のようなことらしい。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
戚の城に入るのでさえ、喪服をまとい父の死を
哭
(
こく
)
しつつ、土地の民衆の機嫌をとりながらはいらなければならぬ始末であった。事の意外に腹を立てたが仕方が無い。
盈虚
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
多恨のダビデが歌ふて「ギルボアの山よ、願はくは汝の上に
雨露
(
あめつゆ
)
降ることあらざれ、亦
供物
(
そなへもの
)
の
田園
(
はた
)
もあらざれ、
其
(
そ
)
は
彼処
(
かしこ
)
に勇士の
干棄
(
たてす
)
てらるればなり」と
哭
(
こく
)
せし山也。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
星巌の忌日を或書には九月四日となしているが、鈴木松塘の『房山楼詩稿』に「横山舒公ノ信ニ接シ星巌先生九月二日ヲ以テ館舎ヲ
捐
(
す
)
ツト聞キ位ヲ設ケテコレヲ
哭
(
こく
)
ス。」
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
あらあらしく頭を壁に押しつけてもがいた。
座
(
ざ
)
ぶとんに顔を
埋
(
うず
)
めてしばらく声をのんで
哭
(
こく
)
した。
まぼろし
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
君自身これが
染上
(
そめあ
)
げを
扶
(
たす
)
け、君自身これを赤大根と
罵
(
ののし
)
る、無情なるも亦甚しいかな。君
聴
(
き
)
け、
啾啾
(
しうしう
)
赤大根の
哭
(
こく
)
、文壇の夜気を動かさんとするを。然れども古人言へることあり。
八宝飯
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
書くべき言葉を有つものでも無いと書いた。
唯
(
ただ
)
、節子のためにこの無礼な手紙を残して行くと書いた。自分は遠い異郷に去って、激しい自分の運命を
哭
(
こく
)
したいと思うと書いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
白き人骨は
沙
(
いさご
)
の表に
露
(
あらは
)
れて、これが爲めに
哭
(
こく
)
するものは、只だ浪の音あるのみ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
すなわち虎を祖先と信じ虎を
害
(
そこな
)
うを忌み、虎肉を食うを禁じ、虎を愛養したり、虎の遺物を保存したり、虎の死を
哭
(
こく
)
したり礼を以て葬ったり、虎を敬せぬ者を罰したり、虎を記号
徽章
(
きしょう
)
したり
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「無理です。それですから白楽天が歌いました、任土貢
寧
(
むし
)
ロ
斯
(
かく
)
ノ如クナランヤ、聞カズヤ人生ヲシテ別離セシム、老翁ハ
孫
(
そん
)
ヲ
哭
(
こく
)
シ、母ハ
児
(
じ
)
ヲ哭ス……ある時、その道州へ陽城という代官が来ました」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
亮
猶
(
なお
)
然
(
しか
)
らざるを申せば、帝
旧
(
ふる
)
き事を語りたまいて、
爾
(
なんじ
)
亮に
非
(
あら
)
ずというや、と
仰
(
おお
)
す。亮胸
塞
(
ふさ
)
がりて答うる
能
(
あた
)
わず、
哭
(
こく
)
して地に伏す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
晏子
(
あんし
)
が
莊公
(
さうこう
)
の
尸
(
し
)
に
伏
(
ふ
)
し、
之
(
これ
)
を
哭
(
こく
)
して
禮
(
れい
)
を
成
(
な
)
し
然
(
しか
)
る
後
(
のち
)
去
(
さ
)
るに
方
(
あた
)
つて、
豈
(
あ
)
に
所謂
(
いはゆる
)
(七二)
義
(
ぎ
)
を
見
(
み
)
て
爲
(
な
)
さざるは
勇
(
ゆう
)
無
(
な
)
き
者
(
もの
)
邪
(
か
)
。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
それ村落の農夫の死するやなおこれがために
哭
(
こく
)
する者あり。しかして堂々たる大国の死するや天下の人みな冷眼に看過し知らざるがごときはなんぞや。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
この凄じき厳冬の日、姪の墓前に
涙
(
なんだ
)
をそそぎし我は、
翌
(
あく
)
る今年の
長閑
(
のどか
)
に静なる暮春のこの
夕
(
ゆうべ
)
、更にここに来りて父の墓に
哭
(
こく
)
せんとは、人事
畢竟
(
ひっきょう
)
夢の如し。
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
森春濤の『詩鈔』に「松隠先生ヲ
哭
(
こく
)
ス。」と題する七言律詩一首がある。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
武男は墓標の前に立ちわれを忘れてやや久しく
哭
(
こく
)
したり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
わが児家に啼き
哭
(
こく
)
して
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四年
応文
(
おうぶん
)
は
西平侯
(
せいへいこう
)
の家に至り、
止
(
とど
)
まること旬日、五月
庵
(
いおり
)
を
白龍山
(
はくりゅうざん
)
に結びぬ。五年冬、建文帝、難に死せる諸人を祭り、みずから文を
為
(
つく
)
りて
之
(
これ
)
を
哭
(
こく
)
したもう。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
起
(
き
)
爲
(
た
)
めに
(七二)
之
(
これ
)
を
吮
(
す
)
ふ。
卒
(
そつ
)
の
母
(
はは
)
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
いて
哭
(
こく
)
す。
人
(
ひと
)
曰
(
いは
)
く、『
子
(
こ
)
は
卒
(
そつ
)
にして
將軍
(
しやうぐん
)
自
(
みづか
)
ら
其疽
(
そのしよ
)
を
吮
(
す
)
ふ。
何
(
なん
)
ぞ
哭
(
こく
)
するを
爲
(
な
)
す』と。
母
(
はは
)
曰
(
いは
)
く、『
然
(
しか
)
るに
非
(
あら
)
ず。
往年
(
わうねん
)
、
呉公
(
ごこう
)
、
其父
(
そのちち
)
を
吮
(
す
)
ふ。 ...
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
ゆえに貴族世界の第一義は他を損して己れを利するの一点にして、他を泣かしむるは己れ笑わんがためなり。他を顛ぜしむるは己れ舞わんがためなり。他を
哭
(
こく
)
せしむるは己れ歌わんがためなり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
イヤ、それよりも同じ章の別の条に、「伯魚の母死す、期にして而して
猶
(
なお
)
哭
(
こく
)
す」の文によれば、伯魚の母即ち孔子の妻も、吾が聖人
孔夫子
(
こうふうし
)
に去られたことは分明である。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
伯魚が出母の死に当り期にして
猶
(
なお
)
哭
(
こく
)
せるは、自然であるが、孔子が幵官氏を出し玉うたのは、因縁不和とよりそれがしには合点がならぬ。聖人の徳、家を
斉
(
ととの
)
うるに足らなかったとは誰も申し得ぬ。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
哭
漢検1級
部首:⼝
10画
“哭”を含む語句
哀哭
鬼哭
大哭
哭声
慟哭
痛哭
鬼哭啾々
号哭
悲哭
慟哭的
拝哭
哭泣
哭倒
酔哭
震動哀哭
泣哭
歌哭
音哭
飲啄笑哭
鬼哭啾啾
...