トップ
>
野郎
>
やろう
ふりがな文庫
“
野郎
(
やろう
)” の例文
大方遊んでばかりいやがったのだろう、この
食
(
く
)
い
潰
(
つぶ
)
し
野郎
(
やろう
)
めッてえんでもって、釣竿を
引奪
(
ひったく
)
られて、
逃
(
に
)
げるところを
斜
(
はす
)
に
打
(
ぶ
)
たれたんだ。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そりや
私
(
わたし
)
は、ひどい
目
(
め
)
にあつているんですから——あのおやじくらい、ごうつくばりでケチンボで、
人情
(
にんじょう
)
なしの
野郎
(
やろう
)
はないですよ。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
「バカ
野郎
(
やろう
)
め。目っけたというのはその竹童のことをいうのか。ふざけやがッて! だれがあんな
小僧
(
こぞう
)
をさがせといいつけたのだ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ルピック氏——こね
野郎
(
やろう
)
! それじゃお前、戦争が始まって、プロシャ人に勝てるかい、
奴
(
やっこ
)
さんたちの言葉も話せないで……。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
甲
(
こう
)
は、そのことを
知
(
し
)
るとたいへんに
喜
(
よろこ
)
びました。
乙
(
おつ
)
の
野郎
(
やろう
)
め、
水
(
みず
)
がなくなってしまったら、どうするだろう。
水
(
みず
)
を
飲
(
の
)
まずに
生
(
い
)
きていられまい。
神は弱いものを助けた
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
『源公の
野郎
(
やろう
)
、ほんとにこの節は生意気になったよ。先生散歩?』お梅は時田のそばに寄って顔をのぞくようにして見た。
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「葉書の用は
他
(
ほか
)
でも無いがネ、どうも近頃正太のやつが遊び出したそうだテ。
碌
(
ろく
)
に儲けもしないうちから、最早あの
野郎
(
やろう
)
遊びなぞを始めてケツカル」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
なにょう! きさまなんざ、ひげそうじのしみったれ
野郎
(
やろう
)
の、
斑
(
ぶち
)
の、
阿呆
(
たわけ
)
の、腹ぺこの、ねずみとりじゃねえか。
狐と猫
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「ふん。
何
(
なに
)
をいっても、
張合
(
はりあ
)
いのねえ
野郎
(
やろう
)
だ。
飯
(
めし
)
は
腹
(
はら
)
一
杯
(
ぱい
)
食
(
く
)
わせてあるはずだに。もっとしっかり
返事
(
へんじ
)
をしねえ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その
上
(
うえ
)
に
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
つと
直
(
す
)
ぐに、この
野郎
(
やろう
)
、この
大馬鹿
(
おおばか
)
と
悪体
(
あくたい
)
が
初
(
はじ
)
まるので、これらは
大地主
(
おおじぬし
)
の
癖
(
くせ
)
であるが、
余
(
あま
)
り
感心
(
かんしん
)
した
風
(
ふう
)
では
無
(
な
)
い、とドクトルも
思
(
おも
)
うたのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
次に起りし美少年の
若衆
(
わかしゅ
)
歌舞伎もまた
男色
(
だんしょく
)
の故を以て
承応
(
しょうおう
)
元年に禁止せられて
野郎
(
やろう
)
歌舞伎となりぬ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
根岸の植留の若えもンで、渡り職人の金公てエ
半
(
はん
)
チク
野郎
(
やろう
)
——こういう名で入りこんではいるが。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この
野郎
(
やろう
)
申し合せて、東西相応じておれを馬鹿にする気だな、とは思ったがさてどうしていいか分らない。正直に白状してしまうが、おれは勇気のある割合に
智慧
(
ちえ
)
が足りない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
様
(
さま
)
を見たる喜左衛門は
一時
(
いちじ
)
の怒に我を忘れ、この
野郎
(
やろう
)
、何をしやがったと
罵
(
ののし
)
りけるが、たちまち
御前
(
ごぜん
)
なりしに心づき、
冷汗
(
れいかん
)
背
(
せ
)
を
沾
(
うるお
)
すと共に、
蹲踞
(
そんきょ
)
してお手打ちを待ち居りしに
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
するとね、ああちんぴら絵描きは骨が折れるって云ったから、何をお高く止ってるンだ馬鹿
野郎
(
やろう
)
、ピンハネをしてやがってと呶鳴ってやったら、いきなりコップを額にぶっつけたンだ
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
農民四「じゃ、この
野郎
(
やろう
)
、山師たがりだじゃぃ。まるきり稲枯れでしまたな。」
植物医師:郷土喜劇
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
わし、この気ちがいに
打
(
う
)
たれました、なぐり
返
(
かえ
)
そうと思っても、ひとりではとてもこの
野郎
(
やろう
)
にかないません、
五郎
(
ごろう
)
さんがおさえてくれなきゃ……わし、こんな気ちがいといっしょにいるのはいやですから、ひまを
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「親分、運転手の
野郎
(
やろう
)
はどうしましょう」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
蔭間茶屋
(
かげまぢゃや
)
の
色子
(
いろこ
)
(
野郎
(
やろう
)
)風俗だの売女の
装
(
な
)
り
振
(
ふ
)
りが、良家の子女にまで真似られて、大奥や柳沢閥の
華奢
(
かしゃ
)
をさえ、色彩のうすいものにした。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それがあいつにゃわからないんだから、
明日
(
あした
)
になったら、そこいらじゅうへ、なんのかんのっていい触らすがいいさ、あのちびころの
間抜
(
まぬ
)
け
野郎
(
やろう
)
!
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
みんな、おいらこそ
江戸
(
えど
)
一
番
(
ばん
)
の
色男
(
いろおとこ
)
だと、いわぬばかりの
顔
(
かお
)
をして、
反
(
そ
)
りッかえってる
野郎
(
やろう
)
ぞっきでげさァね。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
おれはこれでも山嵐に一銭五厘
奮発
(
ふんぱつ
)
させて、百万両より尊とい返礼をした気でいる。山嵐は
難有
(
ありがた
)
いと思ってしかるべきだ。それに裏へ廻って
卑劣
(
ひれつ
)
な
振舞
(
ふるまい
)
をするとは
怪
(
け
)
しからん
野郎
(
やろう
)
だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お艶さんもどうも困りもんだがあれはお奉行所へも
捜
(
さが
)
し方を願ってあることだし、それより今日のはなしは……なにね、あっしの友達に御用聞きの下で働いている
野郎
(
やろう
)
がありましてね
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「あの
野郎
(
やろう
)
、王さまのことを、あんなにひどくいってやがる。ちょいと走ってって、おとどけしてこよう。そうすりゃ、このおれはごほうびがもらえるし、あいつは
罰
(
ばつ
)
をくらうだろう。」
うまい商売
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「
野郎
(
やろう
)
ども! ぬかりなくやれよ」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「この
野郎
(
やろう
)
ふざけた野郎だ……」
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「じつは
兄貴
(
あにき
)
、うわさどころかこの
龍巻
(
たつまき
)
も、あの伊那丸のやつと、家来の
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
という
野郎
(
やろう
)
には、ひどい目にあわされたことがあるんだ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ちげえねえ。葉ッぱにとまってた
蛙
(
かえる
)
の
野郎
(
やろう
)
までが、あんな
大
(
おお
)
きな
眼
(
め
)
を
開
(
あ
)
きゃァがった」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「この
野郎
(
やろう
)
、とうとう見つけたぞ。よくも長いあいださわがせやがったな。」
赤ずきん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
きっと僕のポケットから落っこったんだろう、いつか草ん中を
転
(
ころ
)
がり廻った時……気違いの真似をして……。しゃがんでみてごらん、母さん、この
野郎
(
やろう
)
がうまく隠れたとこをさ、
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
をさ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
実はあの会議が済んだあとで、よっぽど仲直りをしようかと思って、一こと二こと話しかけてみたが、
野郎
(
やろう
)
返事もしないで、まだ
眼
(
め
)
を
剥
(
むく
)
ってみせたから、こっちも腹が立ってそのままにしておいた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
実
(
じつ
)
あ、たった一度、それ、
極道
(
ごくどう
)
長屋の鉄の
野郎
(
やろう
)
がお手あてになって、おれが関係に付き添って行ったことがあるだろう? あの時、お
白洲
(
しらす
)
でお調べをなすったお顔がまだ眼の底にこびりついてらあ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「だまれこの
野郎
(
やろう
)
……」
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
それが、たった一日でこのありさま。おもえば
明智光秀
(
あけちみつひで
)
という
野郎
(
やろう
)
も、えらい
魔火
(
まび
)
をだしやあがったものだなア……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やい、やい、水んなかのバチャバチャ
野郎
(
やろう
)
の、でか頭の、ぐりぐり目玉め。
うまい商売
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「
野郎
(
やろう
)
ッ! さあ、その細首をすっ飛ばしてくれるぞッ!」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ユダヤ人なんかのいうことはうそばっかりでごぜえます。あいつらの口からは、ほんとのことはひとことだってでたことはごぜえません。だいいち、ここにいる
野郎
(
やろう
)
なども、おらがこいつの
上着
(
うわぎ
)
を
うまい商売
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「チェッ、だらしのねえ
野郎
(
やろう
)
じゃアねえか」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「きさま、どこの馬のほねだ。みっともない
野郎
(
やろう
)
だな。」
いさましい ちびの仕立屋さん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「さあ、ひよっこ
野郎
(
やろう
)
、おれのまねをしてみな。」
いさましい ちびの仕立屋さん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「へーん、ばかな
野郎
(
やろう
)
だなあ。」
三本の金の髪の毛をもっている鬼
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
“野郎”の意味
《名詞》
野 郎(やろう)
前髪を剃り落とした少年
野郎歌舞伎の役者
野郎帽子の略
野郎頭の略
(出典:Wiktionary)
“野郎”の解説
野郎(やろう)とは、成人男性を指す言葉。江戸時代では前髪を落として月代を剃った男性を指した。のちにこの言葉は男性を侮蔑する場合に使用されるようになる(対語は「女郎(めろう)」)。
(出典:Wikipedia)
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
郎
常用漢字
中学
部首:⾢
9画
“野郎”で始まる語句
野郎奴
野郎頭
野郎児
野郎姿
野郎額
野郎帽子