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化粧
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けしょう
ふりがな文庫
“
化粧
(
けしょう
)” の例文
あたしゃ今こそお
前
(
まえ
)
に、
精根
(
せいこん
)
をつくしたお
化粧
(
けしょう
)
を、してあげとうござんす。——
紅白粉
(
べにおしろい
)
は、
家
(
いえ
)
を
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
袱紗
(
ふくさ
)
に
包
(
つつ
)
んで
持
(
も
)
って
来
(
き
)
ました。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
いつ見ても
汚
(
きたな
)
いといわれ、それが大々的にお
化粧
(
けしょう
)
をした時でさえそうなのだから、彼は一番
汚
(
よご
)
れたところだけ
拭
(
ふ
)
けばいいのである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
衣服を
更
(
か
)
えて久し振りに、屋敷の湯に
浸
(
つか
)
って
化粧
(
けしょう
)
を改めた月江の姿は、今旅から帰った人とも見えず、久米之丞にはまぶしすぎる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌日
(
よくじつ
)
の
明
(
あ
)
け
方
(
がた
)
、
子供
(
こども
)
は、ついにこの
世界
(
せかい
)
から
去
(
さ
)
りました。
雪
(
ゆき
)
は、その
道筋
(
みちすじ
)
を
潔
(
きよ
)
めるため、
白
(
しろ
)
く
化粧
(
けしょう
)
して、
野原
(
のはら
)
や、
森
(
もり
)
までを
清浄
(
せいじょう
)
にしました。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また眼前で
化粧
(
けしょう
)
にとりかかった彼女の平気な不貞さにも、少しの喜びをも感じなかった。腕や
喉
(
のど
)
や顔に塗られる脂粉に、深い
嫌悪
(
けんお
)
を覚えた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
宝石を身につけたり、香水を使ったり、日になんども
化粧
(
けしょう
)
のために、長い時間をかけたりして、装飾し興奮し緊張しながら、食卓にあらわれた。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
乱れた髪のかかりと云い、汗ばんだ顔の
化粧
(
けしょう
)
と云い、一つとしてあの女の心と体との醜さを示していないものはない。
袈裟と盛遠
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
竜之助は、また
首垂
(
うなだ
)
れて酒を飲み出す。怖ろしさから傍へ寄ったお松の
化粧
(
けしょう
)
の香りが
紛
(
ぷん
)
としてその酒の中に散る。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すると、
化粧
(
けしょう
)
をした一つの顔がひたいを窓ガラスに
押
(
お
)
しつけていました。それがその晩の主人公だったのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それから三人の女を選んで、首を洗う役と、
化粧
(
けしょう
)
をする役と、札を附ける役とを、それ/″\受け持たせた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
みじんも
化粧
(
けしょう
)
もせず、
白粉
(
おしろい
)
のかわりに、健康がぷんぷん
匂
(
にお
)
う清潔さで、あなたはぼくを
惹
(
ひ
)
きつけた。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
御飯を食べると、こたつの上へ座わりこんでお
化粧
(
けしょう
)
をしています。名前がわからないので、白いから、かりにチロとよびますと、ニャーオ……と鳴いて、返事をします。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
さ「あゝ今二階で
化粧
(
みじめえ
)
して
居
(
お
)
りますの、どうせ
閑暇
(
ひま
)
だが又
何時
(
いつ
)
口が掛るかも知れないから、湯に
遣
(
や
)
って
化粧
(
けしょう
)
をさせて置くのサ……二階に居りますが何か用が有るのかえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女の
紅白粉
(
べにおしろい
)
などもやはり酒と同様に、本来は祭とか式典とか、おおよそ酒の用いられなければならぬような日に、女を常の女でなくするために施したのが
化粧
(
けしょう
)
であった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ま、とにかくちょっとお
化粧
(
けしょう
)
をしてお酒の席へだけは出ておくれよ。ね! 笑って、後生だからにこにこして……! さっきからお艶はまだかってきつい御催促なんだよ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
郁治の妹の雪子はやせぎすなすらりとした
田舎
(
いなか
)
にはめずらしいいい娘だが、湯上がりの薄く
化粧
(
けしょう
)
した白い顔を夕暮れの暗くなりかけた空気にくっきりと浮き出すように見せて
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
下女は大きな声をして
朋輩
(
ほうばい
)
の名を呼びながら
灯火
(
あかり
)
を求めた。自分は電気灯がぱっと明るくなった瞬間に
嫂
(
あによめ
)
が、いつの間にか薄く
化粧
(
けしょう
)
を施したという
艶
(
なまめ
)
かしい事実を見て取った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただしなるべく
化粧
(
けしょう
)
を凝らして、人目につかぬようそっとこの坂道を通り越すであろう。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
わか姉さんは
幕
(
まく
)
のかげに新吉をかくして、そこでお
化粧
(
けしょう
)
をしてやりました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
バスの中には、両側に、ずっと
棚
(
たな
)
のようなものがとりつけてあって、その上に、
化粧
(
けしょう
)
をするための鏡がならべてあるのです。男は、その鏡の一つの前に腰かけて、じぶんの顔を鏡にうつしていました。
サーカスの怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
隣
(
となり
)
近所にお
化粧
(
けしょう
)
のアラを拾うやつもなくてさばさばしたろう」
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「少し目立ち過ぎるくらいだよ。あとでお
角
(
かく
)
さんと銭湯へ行って、すっかり
襟足
(
えりあし
)
をお
化粧
(
けしょう
)
してごらん、ほかの女達はみんな影が薄くなっちまうよ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ひまなときは、いつでもここへきてお
化粧
(
けしょう
)
をして、いいんですよ。」と、わざとらしく、お
竹
(
たけ
)
に、いいました。
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
のみならず叔母が気をつけていると、その
後
(
ご
)
も看護婦の所置ぶりには、不親切な所がいろいろある。現に
今朝
(
けさ
)
なぞも病人にはかまわず、一時間もお
化粧
(
けしょう
)
にかかっていた。………
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「そうだ。それともお
前
(
まえ
)
さんのくるのを
知
(
し
)
って、
念入
(
ねんい
)
りの
化粧
(
けしょう
)
ッてところか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
長く覚えていたであろうしその上世間の評判や人々のお世辞が始終耳に這入るので自分の器量のすぐれていることはよく承知していたのであるされば
化粧
(
けしょう
)
に
浮身
(
うきみ
)
を
窶
(
やつ
)
すことは
大抵
(
たいてい
)
でなかった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その夜のあなたは、また、
薄紫
(
うすむらさき
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
に、黄色い三尺帯を
締
(
し
)
め、髪を左右に編んでお下げにしていました。
化粧
(
けしょう
)
をしていない、小麦色の
肌
(
はだ
)
が、ぼくにしっとりとした、落着きを
与
(
あた
)
えてくれます。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
着て、わか
姉
(
ねえ
)
さんにお
化粧
(
けしょう
)
を
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
この通り
小袖
(
こそで
)
を
着
(
き
)
かえ、
髪
(
かみ
)
をなおし、うすい
化粧
(
けしょう
)
までしているでしょう。これが
覚悟
(
かくご
)
の
証拠
(
しょうこ
)
です。わたしを
縄
(
なわ
)
にかけて、
甲府
(
こうふ
)
へでも、
浜松城
(
はままつじょう
)
へでも
送
(
おく
)
ってください
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
赤
(
あか
)
いけしの
花
(
はな
)
は、さまで、ここにいることを
苦労
(
くろう
)
と
感
(
かん
)
じないように、いつも、お
化粧
(
けしょう
)
に
身
(
み
)
をやつしてそわそわしていましたが、いま、らんに
同情
(
どうじょう
)
されるとなんとなく
ガラス窓の河骨
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
絵
(
え
)
にあるような
綺麗
(
きれい
)
な、お
嬢様
(
じょうさま
)
に
何
(
なに
)
やかやと
御馳走
(
ごちそう
)
を
頂戴
(
ちょうだい
)
した
挙句
(
あげく
)
、お
化粧直
(
けしょうなお
)
しの
幕
(
まく
)
の
隅
(
すみ
)
で、あたしはお
前
(
まえ
)
に、お
前
(
まえ
)
はあたしに、
互
(
たがい
)
にお
化粧
(
けしょう
)
をしあって、この
子達
(
こたち
)
、もう
小
(
こ
)
十
年
(
ねん
)
も
経
(
た
)
ったなら
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
おまけに、そのとき、あなたはぼくが
逢
(
あ
)
ってから、初めて厚目に、
白粉
(
おしろい
)
をつけ、紅を
塗
(
ぬ
)
っていた。その
田舎娘
(
いなかむすめ
)
みたいなお
化粧
(
けしょう
)
が、
涙
(
なみだ
)
で
崩
(
くず
)
れたあなたほど、
惨
(
みじ
)
めに
可哀想
(
かわいそう
)
にみえたものはありません。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「そんなに
私
(
わたし
)
を
見
(
み
)
てはいけません。どうしてって、
恥
(
は
)
ずかしいのですもの。
私
(
わたし
)
のお
化粧
(
けしょう
)
が、すっかりできあがった
時分
(
じぶん
)
に、もう一
度
(
ど
)
ここへきて、
私
(
わたし
)
を
見
(
み
)
てくださいまし。」
谷間のしじゅうから
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ま……せっかくのお美しい
化粧
(
けしょう
)
が、だいなしに汚れましたこと」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つとめに
出
(
で
)
るときは、お
化粧
(
けしょう
)
をして、そのふうがりっぱなので、
人目
(
ひとめ
)
には、いきいきとして、
美
(
うつく
)
しくうつるので、さぞゆかいな
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
ってるだろうと
思
(
おも
)
うけれど、
家
(
いえ
)
へ
帰
(
かえ
)
って
アパートで聞いた話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
化粧
(
けしょう
)
をととのえて待て。身もたのしみに待つ。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
化粧
(
けしょう
)
したような
歩
(
ある
)
きつきや、ただ、
流行
(
りゅうこう
)
をまねさえすれば、
美
(
うつく
)
しく
見
(
み
)
えるとでも
思
(
おも
)
っている、けばけばしくて、あかぬけのしないようすが、
若者
(
わかもの
)
にはかえってあわれみをそそったのでした。
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“化粧”の解説
化粧(けしょう、仮粧、英: makeup、仏: maquillage)とは、広辞苑によると、主として顔に、白粉(おしろい)や紅(べに)をつけて装い飾ること。
(出典:Wikipedia)
化
常用漢字
小3
部首:⼔
4画
粧
常用漢字
中学
部首:⽶
12画
“化粧”で始まる語句
化粧坂
化粧紐
化粧料
化粧箱
化粧部屋
化粧煉瓦
化粧水
化粧鞄
化粧鏡
化粧迄