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かうれう
汗と、わきがと、
湯無精を
除いては、
女は——
化粧の
香料のほか、
身だしなみのいゝ
女は、
臭くはないものと
思つて
居る。
憚りながら
鼻はきく。
金絲の
綉をした
上衣を
日に
煌かして
行く
大買人もあれば、
重さうな荷物を
脊負てゆく
人足もある、
香料の
妙なる
薫が
折り/\
生温い風につれて
鼻を打つ、
兒童は
極樂へでも
行つた氣になつて
それはね、これの
校了の
校正刷を
讀んでゐて
誤植を
一つ
發見して
直して
置いた
事だ。
尤もその
手柄と、こんなことを
卷頭に
書いて
君の
美しい
本をきたなくする
罪とでは、
差引にならないかも
知れない。