極樂ごくらく)” の例文
新字:極楽
しも貴下こなたが、世間せけんふやうに、阿呆あはう極樂ごくらくひいさまをれてかっしゃるやうならば、ほんに/\、世間せけんとほり、不埓ふらちことぢゃ。
またんでも極樂ごくらくたしかかれるぢやとかたしんじてものは、かうときにはおどろかぬ。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
金絲のぬひはくをした上衣うはぎきらめかして大買人おほあきんどもあれば、おもさうな荷物を脊負しよつてゆく人足にんそくもある、香料かうれうたへなるかほりり/\生温なまぬくい風につれてはなを打つ、兒童こども極樂ごくらくへでもつた氣になつて
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
三五郎は何分承知せず然樣なら御釋迦樣しやかさまの時は極樂ごくらくやり今の時代は地獄へ御引導いんだうなされますかはゞかりながら出家しゆつけの御身分は何と御心得こゝろえなされますぞと顏色かほいろかへて言ひければ役僧はおのれ不屆至極ふとゞきしごくな奴なりおのれは大方ゆすかたりに相違は有まいコリヤ男共此やつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
母のひざをば極樂ごくらく
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)