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生温
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なまあたたか
ふりがな文庫
“
生温
(
なまあたたか
)” の例文
兵士の横腹から出る
生温
(
なまあたたか
)
い血が手の甲にドクドクと流れかかると、その傷口から臓腑の中へ、グッと両手を突込みたい衝動に馳られて仕様がない位であった。
戦場
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
高壇
(
テラース
)
の
手摺
(
てすり
)
に
肱
(
ひじ
)
をついて、河の方へ低くなってる芝生の斜面を眼の下に眺めた。地面は湯気をたてて、
生温
(
なまあたたか
)
い水蒸気が
日向
(
ひなた
)
に立ち上っていた。雨の
雫
(
しずく
)
が草の上に
閃
(
ひらめ
)
いていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
生温
(
なまあたたか
)
い感触が、私の身内まで伝わっているのを感じると、アア、私はとうとう、
矢場
(
やにわ
)
に彼女を抱き寄せ、
八重歯
(
やえば
)
のふくれ上った、あのモナ・リザの唇を盗んでしまったのである。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼はマリユスの
生温
(
なまあたたか
)
い血が自分の上に流れかかって、服の下までしみ通るのを覚えた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
野人ブラームスは、この大先輩にして大御所的存在であったリストの歓待に、ただ驚き
呆
(
あき
)
れるばかりであった。だが、リスト殿堂の中を吹き巻く風は、
贅沢
(
ぜいたく
)
で
生温
(
なまあたたか
)
くて、虚飾と
阿諛
(
あゆ
)
に満ちていた。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
▼ もっと見る
突然に彼の頬を、一陣の
生温
(
なまあたたか
)
い風が、スーッと
撫
(
な
)
でた。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
次に耳元に
生温
(
なまあたたか
)
い
呼吸
(
いき
)
づかいがあった。
人造人間殺害事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
温
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生死
生計