“なまあたたか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
生暖61.1%
生温38.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして屍体を窓の外へ突き落としたのだった。屍体といってもまだ生暖なまあたたかいやつが、車輛と車輛の間からレールの上に落ちるが早いか、ザクリとやってしまったのだった。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ぬかのように見えた粒は次第に太く長くなって、今は一筋ひとすじごとに風にかれるさままでが目にる。羽織はとくに濡れつくして肌着にみ込んだ水が、身体からだ温度ぬくもり生暖なまあたたかく感ぜられる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
生温なまあたたかい感触が、私の身内まで伝わっているのを感じると、アア、私はとうとう、矢場やにわに彼女を抱き寄せ、八重歯やえばのふくれ上った、あのモナ・リザの唇を盗んでしまったのである。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼はマリユスの生温なまあたたかい血が自分の上に流れかかって、服の下までしみ通るのを覚えた。