“なまあったか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
生温66.7%
生暖33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
指先で頬辺を一寸つっつくと、生温なまあったかいつるりとした感触がした。喫驚して手を引込める間に、赤ん坊は唇のあたりをかすかに震わした。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「なるほどいい風が来ますね。だが、どうも生温なまあったかい風ですね旦那。この風を冷たくする工夫はつかねえものですかね。」
田原氏の犯罪 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
小指の先をくわえさせると、生温なまあったかい粘り気のある唇でちゅっちゅっと吸った。しまいには焦れだした。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
手を伸して額に触ってみたが、生温なまあったかいだけで、熱はなさそうだった。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
かしらの二日は大粒の雨が、ちょうど夜店の出盛る頃に、ぱらぱら生暖なまあったかい風に吹きつけたために——その癖すぐに晴れたけれども——丸潰まるつぶれとなった。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)