生温なまあったか)” の例文
指先で頬辺を一寸つっつくと、生温なまあったかいつるりとした感触がした。喫驚して手を引込める間に、赤ん坊は唇のあたりをかすかに震わした。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「なるほどいい風が来ますね。だが、どうも生温なまあったかい風ですね旦那。この風を冷たくする工夫はつかねえものですかね。」
田原氏の犯罪 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
小指の先をくわえさせると、生温なまあったかい粘り気のある唇でちゅっちゅっと吸った。しまいには焦れだした。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
手を伸して額に触ってみたが、生温なまあったかいだけで、熱はなさそうだった。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)