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じれ
ふりがな文庫
“
焦
(
じれ
)” の例文
もう
焦
(
じれ
)
ったいわ、看板を買い、株を買い、自前になるとかならないとか、そんなこと
間緩
(
まだる
)
くて仕方がない、今晩からでも廃業して
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
だって——ああ
焦
(
じれ
)
ったい。この方は何じゃありませんか——
御姉
(
おあねえ
)
さんの志だって、お雛様に御馳走なすった、お定りの(栄螺と蛤。)——
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
誠に
静
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つて
兵士
(
へいし
)
ばかりでは無い馬までも
静
(
しづか
)
にしなければいかないと
申
(
まう
)
す
処
(
ところ
)
が、馬は
畜生
(
ちくしやう
)
の事で誠に心ない物でございますから、
焦
(
じれ
)
つたがり
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
焦
(
じれ
)
つたいけど、しやうがない。だから、見たまへ、公衆の前で人間幾人かの
生命
(
いのち
)
が賭けられたつていふこの不祥な出来事を、心から憤ることも、嘆くこともできないんだ。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
亀の歩みも
焦
(
じれ
)
ったいには相違ないが、それでも一つ処に停止していないのは事実である。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
旦那様は又た、奥様を籠の鳥のように御眺めなさる気で、奥様の独り
焦
(
じれ
)
る御心が解りませんのでした。
何時
(
いつ
)
、羽根を切られた鳥の心が籠に入れて楽しむという飼主に解りましょう。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
このやうな
測
(
はか
)
り知れぬ人を前にして、本を讀まうとするのは、無駄であつた。また、私は、
焦
(
じれ
)
つたくなつて、默つてゐられなくなつた。彼は、つんとして
肘鐵砲
(
ひぢでつぽう
)
を食はす氣かも知れない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
しばらくの後、古田は腕組をとると、
焦
(
じれ
)
っぽくバットに火をつけながら
金狼
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
妾
(
あたい
)
は
焦
(
じれ
)
ったくなってよ。」
百合の花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ようよう、あなた、
焦
(
じれ
)
ったいわねえ、今晩は天下の寝物語を二人だけで借りっきりなのよ、誰に
憚
(
はばか
)
ることはないから、おのろけを
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と
焦
(
じれ
)
ったそうに言い切った。葛木は
衝
(
つ
)
と
行
(
ゆ
)
こうとした。
表裏
(
ひょうり
)
、反覆、とにかくながら、
対手
(
あいて
)
が笑ったから、話は済んだ、と思ったのである。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
六郎 まつたくおれも
焦
(
じれ
)
つたい。さあ、早く云へ、早く云へ。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と
婀娜
(
あだ
)
に唇の端を上げると、
顰
(
ひそ
)
めた眉を
掠
(
かす
)
めて落ちた、
鬢
(
びん
)
の毛を、
焦
(
じれ
)
ったそうに、
背
(
うしろ
)
へ投げて
掻上
(
かきあ
)
げつつ
女客
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
してよる夜中、出歩いちゃ困るじゃねえか、親方が
焦
(
じれ
)
ったがるのは無理ぁねえな。ちぇっ、どうしてそう、みんな人にばっかり世話を焼かせたがるんだろうなあ
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
聴いている方では
焦
(
じれ
)
ったくなる。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
前生
(
ぜんせ
)
の事のようで、目の前の事のようで、心の内が言いたくッて、言われなくッて、
焦
(
じれ
)
ッたくって、
口惜
(
くやし
)
くッて、いらいらして、じりじりして、そのくせぼッとして
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分ながら
腑甲斐
(
ふがい
)
のないことに思われて、あとで
焦
(
じれ
)
ったがるが、その前へ出ると、どうしても段違いで相撲にならないことが自分でわかるだけに、
口惜
(
くや
)
しくてならないでいるのです。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
相応
(
そうおう
)
に
流行
(
はや
)
って、
薬取
(
くすりとり
)
も多いから、
手間取
(
てまど
)
るのが
焦
(
じれ
)
ったさに、始終
行
(
ゆ
)
くので見覚えて、私がその
抽斗
(
ひきだし
)
を抜いて五つも六つも薬局の机に並べて
遣
(
や
)
る、
終
(
しまい
)
には、
先方
(
さき
)
の手を待たないで
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とつおいつの末が、
朱羅宇
(
しゅらう
)
の煙管へ、やけに煙草を詰め込むのが落ちで、むやみに
焦
(
じれ
)
ったがっているところへ、二階で物音がしましたから、吸いかけた煙管をはなして天井を見上げている。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
股
(
もも
)
ッたア出すなッてえ、
肥満
(
ふと
)
った
乳母
(
おんば
)
どんが
焦
(
じれ
)
ッたがりゃしめえし、厭味ッたらしい言分だが、そいつも承知で乗ってるからにゃ、
他様
(
ほかさま
)
の足を踏みゃ、
引摺下
(
ひきずりおろ
)
される御法だ、と往生してよ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
田山白雲は
焦
(
じれ
)
ったがりながら、渡頭に近い高さ三メートルばかりの小丘の上で、遠眼鏡を
眼窩
(
がんか
)
の上から離さず、マドロスの逃げ込んだ
追波
(
おっぱ
)
の本流の方をしきりに注視していましたが、そのうちに
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
が、三日、五日、六日、七日になっても、まだその二人は谷と谷を隔てている。!……も、——も、丶も、邪魔なようで
焦
(
じれ
)
ったい。が、しかしその一つ一つが、
峨々
(
がが
)
たる
巌
(
いわお
)
、
森
(
しん
)
とした
樹立
(
こだち
)
に見えた。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お角はこう言っているうちにも
焦
(
じれ
)
ったそうに
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
擽
(
くすぐ
)
つたいやうな、
痒
(
かゆ
)
いやうな、
熱
(
あつ
)
いやうな、
寒
(
さむ
)
いやうな、
嬉
(
うれ
)
しいやうな、
悲
(
かな
)
しいやうな、
心細
(
こゝろぼそ
)
いやうな、
寂
(
さび
)
しいやうな、もの
懷
(
なつか
)
しくて、
果敢
(
はか
)
なくて、たよりのない、
誰
(
たれ
)
かに
逢
(
あ
)
ひたいやうな、
焦
(
じれ
)
つたい
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ホントに
焦
(
じれ
)
ったい」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
持って、
下階
(
した
)
の
女房
(
おかみさん
)
の中へ寝に行きました、……一度でも芸者と遊んで、そのくらいな事が分らない。——さあ、ちゃんとして見て頂戴、サの字が見えない? 姉さんに
肖
(
に
)
ない?……ええ、
焦
(
じれ
)
ったい。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
焦
(
じれ
)
ったそうにたしなめると、大きく
合点
(
がってん
)
々々しながら
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おい、手毬はどうして消えたんだな、
焦
(
じれ
)
ったい。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
焦
(
じれ
)
ったい女だな。」
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“焦”の解説
焦(しょう)は、西周時代の諸侯国。
『史記』周本紀によると周の武王は神農氏の末裔を焦(現在の河南省三門峡市陝州区)に封じたとある。
『竹書紀年』の記載によると、周の幽王七年(紀元前775年)焦は虢によって滅亡した。
(出典:Wikipedia)
焦
常用漢字
中学
部首:⽕
12画
“焦”を含む語句
焦燥
焦慮
焦躁
焦心
焦点
焦立
焦々
焦眉
焦土
焦熱
焼焦
焦死
黒焦
焦茶
日焦
焦茶色
焦臭
焦熱地獄
小焦
麦焦
...