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啖
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たん
ふりがな文庫
“
啖
(
たん
)” の例文
畳の上に焼け
焦
(
こが
)
しをなし、火鉢の灰に
啖
(
たん
)
を吐くなぞ、一挙一動いささかも居室、家具、食器、庭園等の美術に対して、尊敬の意も愛惜の念も何にもない。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
実に何んともいいようのない
疼痛
(
とうつう
)
を感じて、いても
起
(
た
)
ってもいられない位……
僂麻質斯
(
リューマチス
)
とか、神経痛とかいうのでもなく何んでも
啖
(
たん
)
が
内訌
(
ないこう
)
してかく全身が痛むのであるとかで
幕末維新懐古談:50 大病をした時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
すると彼は
喉
(
のど
)
もとに今までに知らない
痒
(
かゆ
)
さを感じ、思はず辞書の上へ
啖
(
たん
)
を落した。啖を?——しかしそれは啖ではなかつた。彼は短い命を思ひ、もう一度この椰子の花を想像した。
或阿呆の一生
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
突然烈しい
咳
(
せき
)
が大川を襲った。
啖
(
たん
)
がのどで鳴った。明かに大川は断末魔に迫っている。
黄昏の告白
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
ぜいぜいいうのは
喘息
(
ぜんそく
)
があり、
啖
(
たん
)
が、切れないから苦しいのだと言った。
童子
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
「井の端にもの洗ひ
居
(
を
)
る我が妻は
啖
(
たん
)
吐く音に駆けてきたれる」
睡蓮
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
啖
(
たん
)
と、薬と、涙とに
満
(
み
)
てり。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「
啖
(
たん
)
がつまる音じゃ。」
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“啖”の意味
《動詞》
啖す (たんす)
(古語)貪り食う。
(出典:Wiktionary)
啖
漢検1級
部首:⼝
11画
“啖”を含む語句
大啖呵
健啖
啖付
啖呵
健啖家
面啖
啖唾
飮啖
人肉啖食
青啖
蜥蜴啖
相啖
啖陰性
啖裂
啖肉
啖火交
啖壺
啖呵負
啖人鬼女
取啖