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与
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くみ
ふりがな文庫
“
与
(
くみ
)” の例文
旧字:
與
以上は名古屋市役所の編纂した『名古屋市史』に由って記した。この事件あってより尾張一藩は
挙
(
こぞ
)
って勤王党に
与
(
くみ
)
することとなった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
われ等は断じて力量以上の、立入った
穿鑿
(
せんさく
)
には
与
(
くみ
)
しない。われ等は心静かに知識の増進を待って居る。汝等も
亦
(
また
)
それを待たねばならぬ。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
こはそもいかに! 賊は
暴
(
あら
)
くれたる大の
男
(
おのこ
)
にはあらで、
軆度
(
とりなり
)
優しき
女子
(
おんな
)
ならんとは、渠は今その正体を見て、
与
(
くみ
)
しやすしと思えば
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
腰弱き彼等の
与
(
くみ
)
するに足らざるを憤れる蒲田は、宝の山に
入
(
い
)
りながら手を
空
(
むなし
)
うする無念さに、貫一が手も折れよとばかり
捩上
(
ねぢあぐ
)
れば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「よく打明けてくださいました。よろこんで義に
与
(
くみ
)
します。誓って、曹操を討ち、帝のおこころを安んじましょう」と、約した。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
電話の容子では、
与
(
くみ
)
しやすいと見て、少し調子を合わせながら、新子のことを洗いざらい、訊き
質
(
ただ
)
してやろうと考えたのである。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
柳亭の弁護をされました河上弁護士も当時のことをおかきになりました手記の中で「金近は陽に岸本に
与
(
くみ
)
し陰に之を半二郎に売りしならん」
蜜柑の皮
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
この話は「
続武家閑話
(
ぞくぶけかんわ
)
」に
拠
(
よ
)
ったものである。佐橋家の
家譜
(
かふ
)
等では、甚五郎ははやく
永禄
(
えいろく
)
六年一向宗徒に
与
(
くみ
)
して討死している。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
而して
此
(
この
)
奇女子を
藉
(
か
)
りて建文に
与
(
くみ
)
し永楽と争わしむ。女仙外史の奇、
其
(
そ
)
の奇を求めずして而しておのずから
然
(
しか
)
るあらんのみ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ピアティゴルスキーに
与
(
くみ
)
する人が多かるべきは予想に
難
(
かた
)
くないが、私は仮にこれを第五番目に置いて、フォイアマンに花を持たせようと思う。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
そういう発作的な
疳癪
(
かんしゃく
)
は半ば病態のせいで、穏やかな精神はそれに
与
(
くみ
)
していなかった。がその疳癪のために、彼の身体はひどく揺り動かされた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
認めてくれて、他の生徒がつかえると、『橘高君、何うだ?』と指名するんだ。少しも意に介していない。それで
与
(
くみ
)
し
易
(
やす
)
しと見たのが悪かったんだ
ロマンスと縁談
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
あの伊賀の連中へ
与
(
くみ
)
するか、どっちにしろ、ここでぼろい儲けをしようとたくらんでいる与の公にとっては、
大痛事
(
おおいたごと
)
。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
仮令、いかなることたりとも、不義に
与
(
くみ
)
せぬを以て、吾等の道と心得ておる。このことは、よく、説いた筈じゃ。牧
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
いうまでもなく私は世の常の楽天観に
与
(
くみ
)
するものではない。私は厭世を越えたるいなむしろ厭世そのものの中に見いだされたる楽天観をいうのである。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
かれは一面に危険なものであると認められていながら、また一面には
与
(
くみ
)
し易きものであると侮られてもいる。蝮が怖いなどというと笑われるくらいである。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
果然、一人の不良少年は鎌倉海岸の脱衣場で彼女の袂からこの手紙を盗み取ると、彼女を
与
(
くみ
)
し易いと見込んだ。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
下にいる多勢のものは、
顎
(
あご
)
をつきあげ、上にいるものの顔色を見るのだ。彼らは彼らの考えで、気前がよく
与
(
くみ
)
し易げな
人
(
にん
)
ていをそこに見わけるのであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
関東説に
与
(
くみ
)
せば天誅すべしと、軟論公卿の表門へ貼紙があるころ、さきの小笠原図書頭の淀駐兵以来ひそかに醸成されつつあったクーデターの気運も熟して
尊攘戦略史
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
暴虎馮河
(
ぼうこひょうが
)
の
徒
(
と
)
には
孔子
(
こうし
)
は
与
(
くみ
)
せずといったが、世俗はいまだ彼らに
敬服
(
けいふく
)
する。
昔時
(
せきじ
)
、ローマ時代には徳という字と勇気という字とは二つ別々に存在しなかった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
あるいは
由比
(
ゆい
)
戸次
(
べつき
)
の謀叛に
与
(
くみ
)
して、たいてい片付いてはしまったが、しかしこればかりでは決して尽きたとはいわれぬので、諸国にはまだ若干の食禄を持って
名字の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
禍害なるかな、偽善なる学者、汝らは預言者の墓をたて、義人の碑を飾りて言ふ、「我らもし先祖の時にありしならば、預言者の血を流すことに
与
(
くみ
)
せざりしものを」
如是我聞
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それは菅公が左遷の時、右大弁であった忠平は
密
(
ひそ
)
かに菅公に同情して兄に
与
(
くみ
)
せず、その後も絶えず配所へ消息を通わして、
慇懃
(
いんぎん
)
を結んでいたからであると云われる。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
且
(
かつ
)
里人のかたるを聞けば、
九四
東海東山の道はすべて新関を
居
(
す
)
ゑて人を
駐
(
とど
)
むるよし。又きのふ京より
九五
節刀使
(
せつとし
)
もくだり給ひて、上杉に
与
(
くみ
)
し、総州の
陣
(
いくさ
)
に向はせ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
なるほど、ふとりすぎた蕗みたい、此奴は食へない化け者だ、と家康も亦律義なカサ頭ビッコの怪物を眺めて
肚裡
(
とり
)
に呟いた。然し、
与
(
くみ
)
し易いところがある、と判断した。
黒田如水
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
藩主より
賞賜
(
しょうし
)
あれば部内の堤防に用い、貧民の肥料培養等の用に供し、種々仁政の
蹟
(
あと
)
あり。前原一誠の乱、その門人にして前原に
与
(
くみ
)
せし者多し、
自
(
みず
)
からまた
官嫌
(
かんけん
)
を
被
(
こうむ
)
る。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
彼は革命に
与
(
くみ
)
する者に非ず、哲学的の理想を有するものに非ず、此故に彼は物徂徠の如く想考的の政論を為す能はず。時勢と事情との二つは常に彼の立論の根拠たりし。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
子曰く、虎を
暴
(
てうち
)
(徒搏)にし、河を
憑
(
かちわた
)
(徒渉)りて、死すとも
悔
(
く
)
ゆるなきものは、吾
与
(
くみ
)
せざるなり、必ずや事に臨みて
懼
(
おそ
)
れ謀を好みて成す
者
(
ひと
)
に(与する)なり。(一〇)
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
そうしてこれは
与
(
くみ
)
しやすいという心が起った。彼は
癇癪
(
かんしゃく
)
を起している。彼は
焦
(
じ
)
れ切っている。彼はわざとそれを抑えようとしている。全く余裕のないほど緊張している。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いわゆる仁義を
仮
(
か
)
って覇業を成すの徒が現れるので、世の降り俗の
頽
(
くず
)
るると共に、王道は益々
湮没
(
いんぼつ
)
して明らかならざる事久しきを致した。けれども天道は
終
(
つい
)
に善に
与
(
くみ
)
する。
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
しかし此の憎悪や反抗に
与
(
くみ
)
しないものは「全然芸術家でもなければ、又、全然人間でもない」
新しき世界の為めの新しき芸術
(新字新仮名)
/
大杉栄
(著)
と言って、俺は膺懲論に
与
(
くみ
)
していたのではない。そうした理窟を抜きにして、形そのものが——破壊の形相それ自体がいわば抽象的に俺を昂奮させた。感動と言ってもいい。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
と心の
中
(
うち
)
で川添富彌が忠義無二の秋月と思いの
外
(
ほか
)
、上屋敷の家老寺島
或
(
あるい
)
は神原五郎治と
与
(
くみ
)
して、水飴を
上
(
かみ
)
へ勧めるかと思いましたから、顔色を変えてジリヽと膝を前へ進め。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
なれどもそなたの
業
(
わざ
)
の中に、邪道の剣とでもいうべきか、相手の足をなぐ一手あり、これ我れの
与
(
くみ
)
せざるところ、
彼
(
か
)
の一手さえ封じたならば、主君へご推挙いたすであろうと
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
もうこれから後はトントン拍子に、天、孝子孝助に
与
(
くみ
)
して仇討本懐一途にとスピードをかけさせている。もっともこの辺まできてまだモタモタ筋を運んでいるようでは仕方がないが。
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
その文に
曰
(
いわ
)
く(中略)貴嬢の朝鮮事件に
与
(
くみ
)
して一死を
擲
(
なげう
)
たんとせるの心意を察するに、葉石との交情旧の如くならず、他に婚を求むるも
容貌
(
ようぼう
)
醜矮
(
しゅうわい
)
突額
(
とつがく
)
短鼻
(
たんび
)
一目
(
いちもく
)
鬼女
(
きじょ
)
怪物
(
かいぶつ
)
と
異
(
こと
)
ならねば
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
吾人は寧ろ進歩的思想に
与
(
くみ
)
するものなり、然りと雖、進歩も自然の順序を
履
(
ふ
)
まざる可からず、進歩は転化と異なれり、若し進歩の一語の裡に極めて危険なる分子を含めることを知らば
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
来て見れば予期以上にいよいよ幻滅を感じて、案外
与
(
くみ
)
しやすい
独活
(
うど
)
の大木だとも思い、あるいは
箍
(
たが
)
の
弛
(
ゆる
)
んだ
桶
(
おけ
)
、穴の
明
(
あ
)
いた風船玉のような民族だと愛想を尽かしてしまうかも解らない。
二葉亭追録
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
即ち無量の
安助
(
あんじょ
)
の
中
(
なか
)
に「るしへる」と云える安助、
己
(
おの
)
が善に誇って我は是 DS なり、我を拝せよと勧めしに、かの無量の安助の
中
(
うち
)
、三分の一は「るしへる」に同意し、多分は
与
(
くみ
)
せず
るしへる
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何ぞや土耳古人に
与
(
くみ
)
したとでも仰せられまするか? 行為にせよ、思想にせよ
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
最っと深い巧みのある悪人かと思ったら、腹立ち紛れに何も彼も口外する、存外浅薄な、存外
与
(
くみ
)
し易い奴である、茲で一言に叱り附けて呉れようかとも思ったが、此の時忽ち思い附いた
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
雪之丞をすっかり
与
(
くみ
)
し
易
(
やす
)
いものと考えて、只、おだて上げ、
唆
(
そそ
)
り立てて置けば、好餌にさそわれて、どのような犬馬の労をも取るであろうと、すっかり信じ込んでしまったように見えた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
ゴマリスト党に
与
(
くみ
)
して、兵力をもって憲法を破毀し(Coup d' état)、グローチゥスら反対派の人々を捕えて獄舎に下し、グローチゥスの財産は、ことごとくこれを没収して
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
同様に、等しく自由を重んずると言っても、世のいわゆる自由主義者と基督者とは根本的に異なり、等しく理想を貴ぶと言っても、いわゆる理想主義者と基督者とは
与
(
くみ
)
するところがありません。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
親しみ易い
与
(
くみ
)
し易い無邪気なおめでたいものとしか映らないのです。
新らしき婦人の男性観
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
さるを天は善にのみ
与
(
くみ
)
したまはぬにや、我が父君は再び世になり出でたまはむ折もあらせたまはで、我五ツといふ年の暮、その頃はまだ御年若かりし母君と、いはけなき我にさこそはお心残りけめを
葛のうら葉
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
かかる者に真理は
与
(
くみ
)
せず
プロパガンダ
(新字新仮名)
/
加藤一夫
(著)
物みな
今日
(
けふ
)
は身に
与
(
くみ
)
す。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
私はそれに
与
(
くみ
)
しない。
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
与
(
くみ
)
し
易
(
やす
)
し——とも観ていないであろうが、時折、
飄逸
(
ひょういつ
)
をあらわしたり、馬鹿を見せたりするので、
交際
(
つきあい
)
いい男としているのは事実である。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
与
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
“与”を含む語句
与那国
分与
与力
賦与
施与
与三
与兵衛
与太者
与党
与右衛門
参与
与太郎
寄与
荊与棘塞路
与奪
与一
関与
与那原
与重
河尻与兵衛
...