あづ)” の例文
旧字:
日曜日の朝は、この若い奥さんは教会へミサにあづかりに外出するのが習慣でした。朝の九時、奥さんはテラスから奥に入りました。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
良安の父辞安、良安の弟磐安、皆此機密をあづかり知り、辞安は事成るの後、井伊家の保護の下に、良安、磐安兄弟を彦根に潜伏せしめ候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
小説の文体と文章とが今日のやうに発展して行つたことについて、かれのあづかつた功は大きいものと言はなければならない。
尾崎紅葉とその作品 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
彼等自ら其天地を劃り、自ら其党派をてゝ曰く、真美は唯我党のみ知れり、純文学は唯我党のみあづかれり、門外漢をしてくちを揷ましむるなかれと。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
集合的しふがふてき独立どくりつのぞんで個人的こじんてき独立どくりつあえてせざるものは独立どくりつするとも独立どくりつ好結果かうけつくわあづかり得ざるなり、我等は厄介者と共に独立するを甚だ迷惑に感ずるなり
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
無残にも芸妓げいしやにして仕舞しまつたので——其頃兼吉は呉港くれに働いて居たのですが、帰京かへつて見ると其の始末です、わたし数々しげ/\兼吉の相談にあづかつたのです、一旦いつたん婦人の節操を汚がしたるものをめとるのは
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
しかし此主従が防ぎおほせたには、阿部家の用人藤田与一兵衛の応対折衝もあづかつて力があつた。藤田は心の利いた人で、能く公の意を体して列侯諸有司の慫慂すゝめを拒んだ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
真面目しんめんもくならざる宗教家しふけうかとは、直接ちよくせつ間接かんせつ外国ぐわいこく伝道でんだう会社ぐわいしや補助ほじよあづかり居りながら外国ぐわいこく宣教師せんけうし悪口あくこう批難ひなんするものなり、社界しやかい先導者せんだうしやを以て自らにんじ居りながら社界しやかい引摺ひきづられつゝ行くものなり
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)