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与
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く
ふりがな文庫
“
与
(
く
)” の例文
旧字:
與
それに、初めは何でもないように思われるもんじゃ。男の方でリボンだ、ショールだ、櫛だ、時計の鎖だと、いろんなものを
与
(
く
)
れる。
麦畑
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
ただトルストイやゲイテとなると、峰が高く大きすぎて
与
(
く
)
みしがたい感じだったが、今はそういうものも読んでみたいと思っていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
人情の真実に徹しない人たちは、このH氏の場合を見て「子の愛の浅い親よ」というでしょう。私はそれに
与
(
く
)
みすることが出来ません。
婦人改造の基礎的考察
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そもそも主人の統業にたいし、その情熱に
与
(
く
)
みして来ながら、おりおり批判的な眼で主人を見たりなどしていたことが
怪
(
け
)
しからぬ。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どの派にも
与
(
く
)
みせず偏しないといふ超然主義は、その画風の上にもはつきり現はれてゐるが、その人柄の上にも、態度の上にも現はれてゐる。
小熊秀雄全集-19:美術論・画論
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
▼ もっと見る
「
与
(
く
)
れ!」と
渠
(
かれ
)
はその
掌
(
てのひら
)
を学生の
鼻頭
(
はなさき
)
に
突出
(
つきいだ
)
せり。学生は
直
(
ただち
)
にパイレットの
函
(
はこ
)
を投付けたり。
渠
(
かれ
)
はその一本を
抽出
(
ぬきいだ
)
して、
燐枝
(
マッチ
)
を
袂
(
たもと
)
に
捜
(
さぐ
)
りつつ
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
みじめなのは男で、いろんな宝石や織物でもまだ
与
(
く
)
れ足りないで、
終
(
しま
)
ひには「名誉」や「
霊魂
(
たましひ
)
」までも進物にしようとする。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
松濤は藤本鉄石、松本奎堂らの義兵を挙げんとするに
与
(
く
)
みしなかったので、開港論者と誤り認められ、そのまさに伊勢に帰らんとする前夜刺客に害せられたのである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
将門が新皇と立てられるのを
諫
(
いさ
)
めて、帝王の業は
智慧
(
ちゑ
)
力量の致すべきでは無い、
蒼天
(
さうてん
)
もし
与
(
く
)
みせずんば智力また何をか
為
(
な
)
さん、と云つたとある。至言である。好人である。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
兄が薩藩に
与
(
く
)
みして居るから弟も変だと云うのは、私が
動
(
やや
)
もすれば幕府の攘夷論を冷評して、こんな政府は
潰
(
つぶ
)
すが
宜
(
い
)
い
杯
(
など
)
云うから、
自
(
おのず
)
からそんな評判も立つのであろうが
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
秋「併し源兵衞、是までに話を致して、依頼者の姓名が云えんと云うのは
訝
(
おか
)
しい、まだ手前は悪人へ
与
(
く
)
み致して
居
(
お
)
るように思われる、手前が云わんなら
私
(
わし
)
の方で云おうか」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
己はこんな金で気楽に暮らすことなんざァ金輪際嫌えだ。こりゃァ残らず手めえッちょに
与
(
く
)
れてやらァ。だがよ、後生だから真人間になってくれ、え、真人間に! こんなことを
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
それをあぶながり、または
難癖
(
なんくせ
)
をつけるような、老成人風の批判ならば、まだ幾らでも出てくることと思うが、私だけは国の学問の前途のために、そういう消極主義に
与
(
く
)
みしたくない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
貝殻を敷いた細い
穢
(
きたな
)
い横町で、貧民窟とでもいいそうな家並だ。山本屋の門には
火屋
(
ほや
)
なしのカンテラを
点
(
とぼ
)
して、三十五六の
棒手振
(
ぼてふり
)
らしい男が、荷籠を下ろして、売れ残りの野菜物に水を
与
(
く
)
れていた。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
(此の要求の果して如何ばかり今の作家に対して効果あるべきか否かは問はず)要求の真意や可し、されど吾人は国民性を描けとの一語に
与
(
く
)
みする能はず、何となればそは
殆
(
ほとん
)
ど無意義に類すれば也。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
火山を継子扱いにして扉の外に突き出すことにも、
与
(
く
)
みされない。
日本山岳景の特色
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
然う言ふ健の顔に、孝子は一寸薄目を
与
(
く
)
れて
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼は「おれは銅貨一つだって親戚などにやりはしない。死んだあとで親戚のふところを
肥
(
こや
)
すなんて馬鹿なことは厭だから、そっくりお前に
与
(
く
)
れてやる」
無駄骨
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
みろ。奴らは、おれの叔父共と、
与
(
く
)
んでいるのだ。どんな手段をもっても、おれを
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
児玉といふ作家は甚だ
与
(
く
)
みし易い人でまた無類の正直者だといふと、その雑誌の経営下にある記者は、いやどうして彼位に腹黒い男はないといふ、この意見の違ひといふものは甚だ面白い
小熊秀雄全集-19:美術論・画論
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「その口が憎いよ。何もその代りと言わんでも、
与
(
く
)
れなら
与
(
く
)
れと。……」
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その位の
訳
(
わ
)
けで、ドウしてもその上方勢に
与
(
く
)
みすることは出来なかった。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼は「女」の鑑定家としては最も
与
(
く
)
みし易いやくざ者である。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
源「何う致しまして、悪人へ
与
(
く
)
み致しました罪で、
私
(
わたくし
)
はお手打になりましても宜しいくらいで、私は命さえ助かりますれば、御扶持は戴きませんでも宜しゅうございます、お出入りだけは相変らず願います」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と言つて、
些
(
ちよつ
)
と校長に
流盻
(
よこめ
)
を
与
(
く
)
れた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
よしんば無断で来なくなろうと、何も
与
(
く
)
れなかろうと、彼女の方から不足はいえないわけだ。まして男は最後まで彼女に好意をもって、
大切
(
だいじ
)
にしてくれたのである。
フェリシテ
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
爰
(
ここ
)
にいたりて自然の
勢
(
いきおい
)
、最早
与
(
く
)
みし
易
(
やす
)
からぬやうに
覚
(
おぼ
)
ゆると同時に、肩も
竦
(
すく
)
み、
膝
(
ひざ
)
もしまるばかり、
烈
(
はげ
)
しく恐怖の念が起つて、
単
(
ひとえ
)
に頼むポネヒルの銃口に宿つた星の影も、消えたかと
怯
(
おく
)
れが生じて
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
与
(
く
)
れなけりゃ、ふんだくるばかりだ」
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
与
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
“与”を含む語句
与那国
分与
与力
賦与
施与
与三
与兵衛
与太者
与党
与右衛門
参与
与太郎
寄与
荊与棘塞路
与奪
与一
関与
与那原
与重
河尻与兵衛
...