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与
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あず
ふりがな文庫
“
与
(
あず
)” の例文
旧字:
與
わたくしはジャズ模倣の踊をする踊子の楽屋で、
三社祭
(
さんじゃまつり
)
の強飯の馳走に
与
(
あず
)
かろうとは、全くその時まで夢にも予想していなかったのだ。
草紅葉
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
燃焼のような物化学的変化に際してそれに
与
(
あず
)
かる物質の重さは全体としてはその前後に
於
(
おい
)
て少しも変らないと
云
(
い
)
うことが確かめられた点です。
ラヴォアジエ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
血が血だけに
胡風
(
こふう
)
になじむことも速く、相当の才物でもあり、常に
且鞮侯
(
そていこう
)
単于
(
ぜんう
)
の
帷幄
(
いあく
)
に参じてすべての画策に
与
(
あず
)
かっていた。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
夫
(
そ
)
れから前にも
云
(
い
)
う通り、江戸に来て徳川の政府に雇われたからと
云
(
いっ
)
た所が、
是
(
こ
)
れは
云
(
い
)
わば筆執る
飜訳
(
ほんやく
)
の職人で、政治に
与
(
あず
)
かろう
訳
(
わ
)
けもない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今やこの開校の期に
遇
(
あ
)
い、親しくその式に
与
(
あず
)
かる。故に
聊
(
いささ
)
か余が心情と冀望とを述べ、以てこの開校を祝するの
詞
(
ことば
)
と為す。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
▼ もっと見る
その代りこの趣は彼ら作家のいまだかつて知らざる興味に属している。また彼らのけっして
与
(
あず
)
からざる境地に存している。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
男性はその凡ての機関の恰好な使用者であるけれども、女性がそれに
与
(
あず
)
かるためには、或る程度まで男性化するにあらざれば与かることが出来ない。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
借金を返すことのできない貧乏人は、金持の奴隷となって、毎年の土地の分配にも
与
(
あず
)
からない。そして犬と一緒になって主人の意のままに働いている。
奴隷根性論
(新字新仮名)
/
大杉栄
(著)
それから又一部の霊媒達は、その性質が善良で慈悲深い為めに、霊界の選抜に
与
(
あず
)
かる彼等は多くの場合に
於
(
おい
)
て、物理的心霊現象の用具とはなり得ない。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
その主たる問題はその心理的効果が漸次美はしく権威ある恋愛生活を創造するに
与
(
あず
)
かつて力あるといふ点である。
恋愛と道徳
(新字旧仮名)
/
エレン・ケイ
(著)
が、実際に文庫の編輯に
与
(
あず
)
かっていたのは
楽屋
(
がくや
)
小説の「
紅子戯語
(
こうしけご
)
」に現れる
眉山
(
びざん
)
、
漣
(
さざなみ
)
、思案、紅葉、
月
(
つき
)
の
舎
(
や
)
円
(
まどか
)
、
香夢楼緑
(
かむろみどり
)
、及び
春亭九華
(
しゅんていきゅうか
)
の八名であった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
百千万の貧民孤児は彼の施餓鬼に
与
(
あず
)
かりしならん、しかれども「ヤコブの井戸の清水を飲むものはまた渇かん」
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
すべて父母の随意に出るもので子女はその相談にも
与
(
あず
)
かることが出来ない。また
其事
(
それ
)
に
喙
(
くちばし
)
を
容
(
い
)
れる権利もない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
餓死にすら
与
(
あず
)
かる六百万の婦人、閣下、これ以上の事がありませうか? さうです、人生のあらゆる道程にあつて最高な頭脳の労働から鉱山或は鉄道の労働
結婚と恋愛
(新字旧仮名)
/
エマ・ゴールドマン
(著)
それには月々の勘定をきちんとすると云う事実が
与
(
あず
)
かって力あるのは、ことわるまでもない。「岡田さんを御覧なさい」と云う
詞
(
ことば
)
が、
屡々
(
しばしば
)
お上さんの口から出る。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
伝わっているようにも
承
(
うけたま
)
わるのは
忝
(
かたじけな
)
いことで、少なくとも是は一国の古事を学ばんとする者に、或る方法を設けて
与
(
あず
)
かり知らしめておくべき
尊
(
とう
)
とい事実であった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
伽話
(
おとぎばなし
)
にある「
舌切雀
(
したきりすずめ
)
」の
葛籠
(
つづら
)
にいかなるものが潜在してあるかは、もらう人の
与
(
あず
)
かるところでないようなものの、その根本を
質
(
ただ
)
せばもらう人が入れ込むのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「幸子を姉さんのような不注意者に
与
(
あず
)
けて置いたということが、こんな罪悪を造ってしまったのだ。」
御身
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
夫人はここに居るかどうか、教えてくれないですか? 夫人は僕を陥れることに
与
(
あず
)
ったのですか?
暗号舞踏人の謎
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
国体も仏教の擁護によりて
鞏固
(
きょうこ
)
なりき、忠孝の思想は仏教の涵養によりて堅実となれり、仏教は文学を生み、美術を生み、その他の学術の進歩に
与
(
あず
)
かりて甚だ力ありきとは
仏教史家に一言す
(新字旧仮名)
/
津田左右吉
、
小竹主
(著)
蓋
(
けだ
)
し松陰をして天下に紹介したるもの、その革命的気熖を煽揚せしめたるもの、即ち松陰をして松陰たらしめたるもの、彼が雄文勁筆の力
与
(
あず
)
かりて多きにおらずんばあらず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
爾して謡う声も
鶯喉
(
おうこう
)
に珠を転すとやら東洋の詩人なら評する程だ、満堂又も割れる許りの喝采が起った、今度の喝采は全く怪美人の芸を褒めるので、主人男爵は
与
(
あず
)
からぬのだ
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
また仏国の
君
(
くん
)
に土国人の宗教に
与
(
あず
)
かるの権利ありとは、土国の君も
絶
(
たえ
)
て想像せざりしところなり。わが先官「レ、マルキス、デ、ボンネ」氏、このことの建言中に云えることあり。
「ヒリモア」万国公法の内宗教を論ずる章(撮要)
(新字新仮名)
/
ロバート・フィリモア
(著)
そこで、われこそは幸運に
与
(
あず
)
からんものと、正直なもので、数百の警官がまるで宝探しでもするように、この、金儲けになる福の神みたいな子供の
行方
(
ゆくえ
)
を眼の色を変えてさがしまわった。
チャアリイは何処にいる
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
否、虚偽を以て真実を
弄
(
もてあそ
)
びつくすのでありますから、この人等をこそ悪魔と呼ぶべきではありますまいか。何等社会に
与
(
あず
)
かるところなくして、社会からあらゆるものを奪い取るからであります。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
儀十 帰りには是非寄ると約束だ、では、お振舞いに
与
(
あず
)
かろうか。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
しかしここは受の弥左衛門に扮せる松助も
大
(
おおい
)
に
与
(
あず
)
かりて力あり。
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
顧
(
おも
)
うに、
若
(
も
)
し隈公にして
余
(
われ
)
のこれに
与
(
あず
)
かるを許さず、諸君にして余を
擯斥
(
ひんせき
)
するあるも、余は
尚
(
な
)
お
自
(
みず
)
から請うてこの事に従い、微力ながらも余が力を尽し
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
当時の一般読者が『あいびき』の価値をほぼ了解してツルゲーネフを知り、かつ二葉亭の訳文の妙を確認したは忍月
居士
(
こじ
)
の批評が
与
(
あず
)
かって
大
(
おおい
)
に力があった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
行蔵
(
こうぞう
)
は我に存す、
毀誉
(
きよ
)
は他人の主張、我に
与
(
あず
)
からず我に関せずと
存
(
ぞんじ
)
候
(
そうろう
)
。
各人
(
かくじん
)
へ
御示
(
おしめし
)
御座
(
ござ
)
候
(
そうろう
)
とも
毛頭
(
もうとう
)
異存
(
いぞん
)
無之
(
これなく
)
候
(
そうろう
)
。
御
(
おん
)
差越之
(
さしこしの
)
御草稿
(
ごそうこう
)
は
拝受
(
はいじゅ
)
いたし
度
(
たく
)
、
御許容
(
ごきょよう
)
可被下
(
くださるべく
)
候也
(
そうろう
)
。
瘠我慢の説:03 書簡
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
、
勝海舟
、
榎本武揚
(著)
この四人の中でもやはり一番早くその官に就いた者にその主権があるので、他の三人はただ相談に
与
(
あず
)
かるだけで
専
(
もっぱ
)
らその相談を決定するのは先任の総理大臣である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
はたまた会社員でも
官吏
(
かんり
)
でも、月給を得んがために、礼を
貰
(
もら
)
わんがために、ボーナスに
与
(
あず
)
からんがために、その他なんらかのためにする手段として職務に従事することは
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
罪人のあの柔和なレシグネーションの中に、
昂然
(
こうぜん
)
として何物にも屈しまいとする強さを私は明かに見て取ることが出来る。神の信仰とは強者のみが
与
(
あず
)
かり得る貴族の
団欒
(
だんらん
)
だ。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
余ノコレニ銘スルニ非ラザレバ誰カ
与
(
あず
)
カランヤ。元治甲子ノ歳余江戸ヨリ郷里ニ帰省ス。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それは、もちろん彼の生まれつきのすぐれた性質によるのですが、それと共に、上にもちょっと記したように彼の母からの感化も大いに
与
(
あず
)
かって力があったことは確かであります。
メンデレーエフ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
しこうして問題は何ゆえに菅江真澄の著作ばかりが、ただひとり百年を隔てて今にその価値を認められるかであるが、それにはもとより学問と文章との、大きな力も
与
(
あず
)
かっている。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
彼の気分を変化するに
与
(
あず
)
かって効力のあったものは京都の空気だの宇治の水だのいろいろある中に、
上方
(
かみがた
)
地方の人の使う言葉が、東京に育った彼に取っては最も興味の多い
刺戟
(
しげき
)
になったらしい。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今日の金港堂は
強弩
(
きょうど
)
の
末
(
すえ
)
魯縞
(
ろこう
)
を
穿
(
うが
)
つ
能
(
あた
)
わざる感があるが、当時は対抗するものがない
大書肆
(
だいしょし
)
であった。その
編輯
(
へんしゅう
)
に従事しその協議に
与
(
あず
)
かるものは皆
錚々
(
そうそう
)
たる第一人者であった。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
基督は与えざる一つのものもない。しかも何物をも失わず、凡てのものを得た。この大歓喜にお前もまた
与
(
あず
)
かるがいい。基督のお前に要求するところはただこの一つの大事のみだ。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
与
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
“与”を含む語句
与那国
分与
与力
賦与
施与
与三
与兵衛
与太者
与党
与右衛門
参与
与太郎
寄与
荊与棘塞路
与奪
与一
関与
与那原
与重
河尻与兵衛
...