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不幸
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ふしあわせ
ふりがな文庫
“
不幸
(
ふしあわせ
)” の例文
それも悲しい晩方の空の色に、何となく一家の
不幸
(
ふしあわせ
)
を語っているようだ。囲炉裏の火は全く消えて、鉄瓶の湯も水に返ったらしい。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
混成酒ばかり飲みます、この不愉快な東京にいなければならぬ
不幸
(
ふしあわせ
)
な運命のおたがいに取りては、ホールほどうれしい所はないのである。
号外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「いいわ。何か事が起ると、人の心もわかるものね。私の
不幸
(
ふしあわせ
)
は、あなたがほんとうにいい方だってことを教えてくれたのね。」
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
いっそこのままなおらずに——すぐそのあとで
臥病
(
わずらい
)
ましたのですよ——と思ったのですが、
幸
(
しあわせ
)
か
不幸
(
ふしあわせ
)
か病気はだんだんよくなりましてね。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
だが、清子さんとの結婚が風がわりであるばかりか、その子になっている民雄も、また別の腹に生れている
不幸
(
ふしあわせ
)
な子だ。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
可哀
(
かわい
)
そうだな、お前は
不幸
(
ふしあわせ
)
に生れて来て、何にも世の中の事というものが分らないんだから、私は何にも
咎
(
とが
)
めやしない。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人の一生を量ってみて、
幸福
(
しあわせ
)
が多いか
不幸
(
ふしあわせ
)
が多いかと言えば、正直のところ、普通の意味でいう不幸の方が多いと言う人が沢山あるに違いありません。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
出る時、女が送って出て、「ぜひ近いうちにね、きっとですよ」と
私語
(
ささや
)
くように言った。昨夜、床の中で聞いた
不幸
(
ふしあわせ
)
な女の話が流るるように胸にみなぎった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「そうだ、そうしてこの箱をひらくと、お前の本当の素性もわかる。もっともそいつはかえってお前を
不幸
(
ふしあわせ
)
にするかもしれねえがな。……だがそれも仕方がねえ」
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
不幸
(
ふしあわせ
)
な事には、
私
(
わたくし
)
ども二人がこうした隠れた恋に酔いまして、時期を待っています間に、ドーブレクの思いをいよいよつのらせました、で、全く話が決った時の
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
こればかりでも、女は死にます。奥様の
不幸
(
ふしあわせ
)
な。
歓楽
(
たのしみ
)
の
香
(
におい
)
は、もう嗅いで御覧なさりたくも無いのでした。奥様は
歎
(
な
)
き
疲
(
くたぶ
)
れて、乾いた草のように
萎
(
しお
)
れて了いました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
見ている。まかりまちがえば、こののちどんな
不幸
(
ふしあわせ
)
が起って来るかもしれん、用心用心。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
お浪の家は村で
指折
(
ゆびおり
)
の
財産
(
しんだい
)
よしであるが、
不幸
(
ふしあわせ
)
に
家族
(
ひと
)
が少くって今ではお浪とその母とばかりになっているので、
召使
(
めしつかい
)
も居れば
傭
(
やとい
)
の
男女
(
おとこおんな
)
も
出入
(
ではい
)
りするから朝夕などは
賑
(
にぎや
)
かであるが
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「でも、でも、どうせあんたが
不幸
(
ふしあわせ
)
になりそうなんだもん」
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
房子は、自分自身を
不幸
(
ふしあわせ
)
であるとは思えなかった。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
辛い
不幸
(
ふしあわせ
)
なお母あはわたしひとりでない
母の手紙
(新字新仮名)
/
中野鈴子
(著)
要するに僕は絶えず人生の問題に苦しんでいながらまた自己将来の
大望
(
たいもう
)
に圧せられて自分で苦しんでいる
不幸
(
ふしあわせ
)
な男である。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
令嬢は
不幸
(
ふしあわせ
)
な人で夫が亡くなったので一人の子供を連れて、父親である男爵の邸へ来ているのである。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
あの
昨夜
(
ゆうべ
)
の
厭
(
いや
)
な夢、——どうして私はこんな
不幸
(
ふしあわせ
)
な
身
(
からだ
)
に生れて来たんでしょう。若しかすると、私は近い内に死ぬかも……もう御目にかかれないかも……知れません
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私みたいに
不幸
(
ふしあわせ
)
なものはないぞね、
藁
(
わら
)
の上から他人の手にかかって、それでもう
八歳
(
やッつ
)
というのに、村の地主へ
守児
(
もりッこ
)
の奉公や。柿の樹の下や、
廐
(
うまや
)
の蔭で、日に何度泣いたやら。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「私は不幸な男だ。あなたも
不幸
(
ふしあわせ
)
だ。その上、貧乏はする。さぞ詰らないだろう。」
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「あなた——あなた、あの、ほんとにお
不幸
(
ふしあわせ
)
なの?」
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
運命です、運命です、
可
(
よ
)
う御座います、貴様にお話がないなら僕が話します。僕が話すから聞いて下さい、せめて
聴
(
きい
)
て下さい、僕の
不幸
(
ふしあわせ
)
な運命を!
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
不幸
(
ふしあわせ
)
だ、不幸だと言いながら気の長いお倉の様子は、余計にお種をセカセカさせた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
泡
(
あぶ
)
く
銭
(
ぜに
)
の
下滓
(
かす
)
を吸って生きている、低級無智な者の中にはさまれて暮していなければならなかった母君の、ジリジリした気持ち——(
気勝者
(
きしょうもの
)
)といわれる
不幸
(
ふしあわせ
)
な気質は、一家三人の共通点であった。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“不幸”の解説
不幸
(出典:Wikipedia)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
幸
常用漢字
小3
部首:⼲
8画
“不幸”で始まる語句
不幸福
不幸者
不幸な者を