かど)” の例文
石坂の家は先祖代々、息子が嫁を迎え、その嫁が一人の子供を生まんうちは、わしらのようなものの精が、どんな妖気を弄んだところで、あの息子をかどわかすことはできない。
岩魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
内実はいずれも生活の饒多と単調さにみはて、なにか身震いのでるような強い刺戟を求めているので、わずかな難儀ですむなら、手荒な山武士にかどわかされてみたいとか、すぐ生返れるのなら
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)