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稜
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かど
ふりがな文庫
“
稜
(
かど
)” の例文
水には
稜
(
かど
)
無けれども氷には稜ある道理で、恐ろしい鋭さと固さとを以て、或點に對しては嚴しくもまた
苛酷
(
いらひど
)
く強く働くものである。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
氷山の
稜
(
かど
)
が桃色や青やぎらぎら光つて窓の外にぞろつとならんでゐたのです。これが風のとばしてよこしたお話のおしまひの一切れです。
氷河鼠の毛皮
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
昨今の大臣や地方官も
何卒
(
なにとぞ
)
せめて、この半分も
稜
(
かど
)
ありて、自ら国民の非難を反駁し、理由さえ正しくば遠慮なしに打ち懲らされたい事じゃ。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そのくせ
稜
(
かど
)
はガラスの破片のように鋭く、転んで手などついたら、いっぺんに怪我をしてしまう。靴は初めからあきらめるよりしかたがない。
黒い月の世界
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
さてかく變りて後この聖なる
建物
(
たてもの
)
その
處々
(
ところ/″\
)
より頭を出せり、即ち轅よりは三、
稜
(
かど
)
よりはみな一を出せり 一四二—一四四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
あたかも川の氷が固くなって、その
稜
(
かど
)
は刃のように尖っていたので、張はあたまを撃ち割られて半死半生になった。
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
僕は獅子の
窟
(
いわや
)
に這入るような
積
(
つもり
)
で引き越して行った。埴生が、君の目は基線を上にした三角だと云ったが、その倒三角形の目がいよいよ
稜
(
かど
)
立っていたであろう。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その
稜
(
かど
)
々は消えてゆく、圓になる、だんだん膨れてきた、こんだは
球
(
きう
)
だ。この
光景
(
けしき
)
の神々しさは、先のに、をさをさ劣らない。腕は更に筋張つてさし上げられる。
さしあげた腕
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
母があんまり善行を修め過ぎるのではないかと思われた。そこで我れ知らず言葉に
稜
(
かど
)
が立ち、そうではありませんよ、というような答えをしなければならなくなった。
兎と猫
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
「觚には
稜
(
かど
)
があるはずじゃ。もともと觚というのは、稜という意味じゃでの。」
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
どこか
稜
(
かど
)
ばったところのあった顔の輪郭すら、見違えるほど和らげられて来た。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
燧石は
稜
(
かど
)
があるからカド石という土地が多い。そのカド石は山で拾い、または川原にあるものを割っても用いられるとしても、一方の鉄だけは
鍛冶
(
かじ
)
が来て打ってくれるのを待たなければならぬ。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
高き鼻に
鼈甲縁
(
べつこうぶち
)
の眼鏡を
挿
(
はさ
)
みて、
稜
(
かど
)
ある
眼色
(
まなざし
)
は見る物毎に恨あるが如し。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
すると、脚たかい本膳の
稜
(
かど
)
に描き込まれた定紋がきらめくのであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
しかしそれでもHMVのレコードには、やはり一面ごとに切って使ったものである。最も注意を払われねばならぬのは背(
稜
(
かど
)
)である。ここが潰れたりささくれたりしたのを使うのが一番よくない。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
雄
(
を
)
の
軍鷄
(
しやも
)
は
丈
(
たけ
)
いさぎよし肩痩せて立ちそびえたり光る眼の
稜
(
かど
)
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
稜
(
かど
)
ある
眼
(
まなこ
)
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「ベゴ」と
云
(
い
)
ふ名は、その辺の草の中にあちこち散らばった、
稜
(
かど
)
のあるあまり大きくない黒い石どもが、つけたのでした。
気のいい火山弾
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
薄暗い「
球
(
きう
)
」は軸の上に囘轉する、
漸々
(
だん/″\
)
膨れて來るやうだ。
金色
(
こんじき
)
の
稜
(
かど
)
が肌の上に現はれる。無數の蟻はぽうつと明るくなつてきた宇宙の上に降りはじめる。
球
(
きう
)
はぱつと破裂する。
さしあげた腕
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
お峯は直道が
言
(
ことば
)
に
稜
(
かど
)
あらんことを
慮
(
おもひはか
)
りて、さり気無く自ら代りて答へつ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
雄
(
を
)
の
軍鶏
(
しやも
)
は
丈
(
たけ
)
いさぎよし肩痩せて立ちそびえたり光る眼の
稜
(
かど
)
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「畜生!」阿Qは眼に
稜
(
かど
)
を立て口の端へ
沫
(
あわ
)
を吹き出した。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
「ベゴ」と
云
(
い
)
う名は、その辺の草の中にあちこち散らばった、
稜
(
かど
)
のあるあまり大きくない黒い石どもが、つけたのでした。
気のいい火山弾
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
(この
屋根
(
やね
)
は
稜
(
かど
)
が五角で大きな黒電気石[※3]の頭のようだ。その黒いことは
寒天
(
かんてん
)
だ。その寒天の中へ
俺
(
おれ
)
ははいる。)
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
稜
(
かど
)
のある石は、一しょに大声でわらひました。その時、霧がはれましたので、
角
(
かど
)
のある石は、空を向いて、てんでに勝手なことを考へはじめました。
気のいい火山弾
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
稜
(
かど
)
のある石は、一しょに大声でわらいました。その時、霧がはれましたので、
角
(
かど
)
のある石は、空を向いて、てんでに勝手なことを考えはじめました。
気のいい火山弾
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
けらを着た
百姓
(
ひゃくしょう
)
たちが、
山刀
(
なた
)
や
三本鍬
(
さんぼんぐわ
)
や
唐鍬
(
とうぐわ
)
や、すべて山と野原の武器を
堅
(
かた
)
くからだにしばりつけて、東の
稜
(
かど
)
ばった
燧石
(
ひうちいし
)
の山を
越
(
こ
)
えて、のっしのっしと
狼森と笊森、盗森
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
稜
(
かど
)
のある石は、だまってため息ばかりついてゐます。そして気のいゝ火山弾は、だまってわらって
居
(
を
)
りました。
気のいい火山弾
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
稜
(
かど
)
のある石は、だまってため息ばかりついています。そして気のいい火山弾は、だまってわらって
居
(
お
)
りました。
気のいい火山弾
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
河原の
礫
(
こいし
)
は、みんなすきとおって、たしかに水晶や
黄玉
(
トパース
)
や、またくしゃくしゃの
皺曲
(
しゅうきょく
)
をあらわしたのや、また
稜
(
かど
)
から
霧
(
きり
)
のような青白い光を出す鋼玉やらでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
河原
(
かわら
)
の
礫
(
こいし
)
は、みんなすきとおって、たしかに
水晶
(
すいしょう
)
や
黄玉
(
トパーズ
)
や、またくしゃくしゃの
皺曲
(
しゅうきょく
)
をあらわしたのや、また
稜
(
かど
)
から
霧
(
きり
)
のような青白い光を出す
鋼玉
(
コランダム
)
やらでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
丘の
稜
(
かど
)
は、もうあつちもこつちも、みんな一度に、
軋
(
きし
)
るやうに切るやうに鳴り出しました。
水仙月の四日
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
丘の
稜
(
かど
)
は、もうあっちもこっちも、みんな一度に、
軋
(
きし
)
るように切るように鳴り出しました。
水仙月の四日
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
山刀
(
なた
)
や
三本鍬
(
さんぼんぐは
)
や
唐鍬
(
たうぐは
)
や、すべて山と野原の武器を堅くからだにしばりつけて、東の
稜
(
かど
)
ばつた
燧石
(
ひうちいし
)
の山を越えて、のつしのつしと、この森にかこまれた小さな野原にやつて来ました。
狼森と笊森、盗森
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ふっと気がついて見るともう北極
圏
(
けん
)
に入っているんだ。海は
蒼黝
(
あおぐろ
)
くて見るから冷たそうだ。船も居ない。そのうちにとうとう僕たちは氷山を見る。朝ならその
稜
(
かど
)
が日に光っている。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのとき楢夫がたうとう一つの赤い
稜
(
かど
)
のある石につまづいて倒れました。鬼のむちがその小さなからだを切るやうに落ちました。一郎はぐるぐるしながらその鬼の手にすがりました。
ひかりの素足
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
くらかけのびんかんな
稜
(
かど
)
は
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“稜”の意味
《名詞》
(リョウ、そば)物の角。
(リョウ)多面体の隣り合う二つの平面が交わって成す線分。
(そば)袴の股立。
(出典:Wiktionary)
稜
漢検準1級
部首:⽲
13画
“稜”を含む語句
稜威
山稜
稜々
稜角
御稜威
稜線
三稜鏡
五稜廓
大御稜威
三稜
三稜剣
稜堡
稜形
鼻稜
五稜郭
稜立
気骨稜々
大稜威
稜鏡
多稜形
...