“へっつい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
58.1%
土竈24.2%
泥竈11.3%
4.8%
泥窯1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
縄暖簾の中を透かして見ると、やっぱり私の思った通り、お母さんが後向きになって手拭てぬぐいねえさんかぶりにしてへっついの傍にしゃがんでいる。
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
正面はぴったりと大きな雨戸がとざされていたから、台所口のような処が明いていたまま入ると、馬鹿にだだ濶い土間で、土間の向う隅には大きな土竈へっついが見え
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
猫が、泥竈へっついの下から、矢みたいに、奥へ逃げこんで来たかと思うと、西陽のさしている勝手の障子ががらっと開いて
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
跪坐しゃがんでいたときことばを返したのが胸にすえかねたといって、母親のために、そこへ突転つっこかされて、へっついの角で脇腹を打ったのがもとで、到頭不幸な胎児が流れてしまった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
と途中で聞いて戴宗はたずね当てて来たが、その家ときたら、のぞいて見るまでもない貧乏世帯で、聖手せいしゅ書生の蕭譲は、独り者か、泥窯へっついの下を火吹き竹で吹いていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
泥窯へっついの火も、家の留守も、裏の婆さんへ声をかけて頼んでおき、すぐ連れ立って表へ出た。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)